2月22日、アプリ市場データを提供するApp Annie主催による、「スマホファースト時代の最新アプリマーケティングセミナー」が開催された。スマホファースト時代におけるアプリ活用の効果とポイントを、最新事例を交えながら紹介した。
アプリを活用し、自社のビジネスを加速させる
第一部には、多くのビューティーブランドを抱える日本ロレアル 長瀬次英氏が登壇した。長瀬氏は「顧客との距離を縮めるのがデジタルの役割。コスメの場合、カスタマージャーニーを設計しても、女性たちは『実際に使用してみてからでないと購入しない』という大きな壁がある」と話す。
こうした課題を踏まえ、同社が開発したのはアプリ「MAKE UP GENNIUS」。3D技術を活用してバーチャルなメイク体験ができるシミュレーターだ。世界中で話題になっただけでなく、ビューティーアプリの可能性を広げたことで、同社のビジネスにも大きく貢献した。
第二部には、日本コカ·コーラ 平尾卓也氏が登壇。同社のアプリ「Coke ON」を活用することで「自社のデジタルマーケティングを、価値主導のマーケティング3.0にシフトすることができた」と平尾氏。
昨年末に終了した同社の会員サイト「コカ·コーラパーク」は、1300万人もの会員を抱えていたものの、徐々にユニークユーザー数が減少したことを踏まえ、アプリに舵を切った。
昨年4月にローンチした「スマホ自販機(R)」と連動するモバイルアプリ「Coke ON」は対応自販機で15本飲み物を買うと1本が無料となるサービスのほか、各種サンプリング、プレミアムコンテンツとの連動など、自販機というリアルの接点にデジタルを融合させた新しいサービスをつくり出し、顧客体験を向上させた。また、アプリのローンチ後インストール数を増やしていく過程では、データに基づいた広告クリエイティブ改善やプロモーションチャネルの選定を繰り返したという。
第三部には、App Annie(アップアニー)滝澤琢人氏が登壇。「モバイルアプリの登場で、消費者が費やす時間はWebからアプリへと急速にシフトし、スマートフォンを1時間利用するうちの53分はアプリを活用していると言われている。それに伴い企業の価値提供のあり方も変化し、顧客接点を持つあらゆる企業にとってアプリへの投資価値が高まっている」と滝澤氏は話す。
こうした変化を把握し、正しい打ち手を打つために必要なのは、「企画・戦略」「ユーザー獲得」「エンゲージメント促進」「収益化促進」といった、各段階でアプリ市場データを活用することだという。
「競合アプリの動向などを含むアプリ市場データを用いることで、アプリ開発の企画・戦略立案、広告クリエイティブやチャネルの判断、収益の予測といった各ステップでの施策の精度を高めていくことが重要」と滝澤氏はアプリ開発における重要な点を述べ、締めくくった。
お問い合わせ
App Annie Japan株式会社
URL:https://www.appannie.com/jp/
TEL:03-5501-0300
MAIL:sales@appannie.com