- オウンドメディアはブランド戦略とリンクしたストーリーや世界観を表現し、適切なKPIを設定して長く継続すべし。
- アーンドメディアは双方向コミュニケーションを生み出す方法を常に意識しながら戦略を立てるべし。
- ペイドメディアのクリエイティブはメディア特性に合わせてターゲットの心に響くメッセージやストーリーを調律すべし。
コーポレートブランディングのここがポイント!
ブランド形成に必要な要素をトリプルメディアに配分する
今回は、ブランディングの視点から見たトリプルメディアについてです。すでにご存知の方も多いと思いますが、もう一度おさらいすると、トリプルメディア戦略とは、企業がメディア戦略で利用する3つのチャネルを、従来からの広告と同義の「ペイドメディア(paid media)」、自社で管理する「オウンドメディア(owned media)」、顧客の信頼や評価を獲得する「アーンドメディア(earned media)」という形で整理し、活用するフレームワークを指します。それぞれのメディアはコンテンツや消費者の動きを通じて繋がり、影響を及ぼし合います(図1)。
2004年に学生向けプラットフォームとして産声をあげたFacebookや、2006年にサービスを開始したTwitterなど、既存のメディアとは明らかに異質な、ユーザー同士をつなぐプラットフォームの台頭により、ユーザーが多くの時間を過ごす「場所」が発生し、既存のコミュニケーション手法ではユーザーとの接触機会の損失が大きくなりました。
そこで、デジタル時代の新しいマーケティング戦略策定のフレームとして2010年前後に提唱され、多くのマーケターが採用してきたという経緯があります。
最近では、第4のメディアとして「シェアードメディア」なるものにも注目されていますが、既存のフレームで説明できてしまうことが多いため、定着するかどうか、観察する必要があります。
では、トリプルメディアというフレームを使い、企業はどのようにブランディングを成功に導いていけばよいのでしょうか。
まず前提として、ブランドは、消費者の脳内で形成されます。Buzz広告やセールスプロモーションのような短期的成果や認知を上げるコミュニケーションと違い、ブランディングは、自社のプロダクトやサービスを通じ、階段を一歩ずつ上がるように、継続的に顧客へ自社の想いや意志を伝え続けることが重要であり、時に体験を伴うコミュニケーションを必要とします。これは人が、人を好きになるプロセスに似ているかもしれません。
上述の特性を鑑みると、企業ブランディングにおいて、従来の広告活用のみの戦略と比較しても、トリプルメディアというフレームワークは継続性が高いので、有効に機能すると言えます。
従来のペイドメディアでの情報発信と誘導に加え、オウンドメディアでの世界観の醸成、アーンドメディアでのユーザーグループの獲得を効果的に組み合わせることで、ブランドメッセージをユーザーの生活に寄り添う形で発信し続けることが可能となり、ユーザーの脳内でのブランド構築を加速させます。
以下に昨今、企業のブランド形成につながる情報には …