『宣伝会議』3月号誌上で、一次審査通過者が発表となりました。全応募作品の中から一次審査を通過したのは、わずか1.2%。審査を担当し、膨大な数のコピーに触れた84人の審査員の皆さんの目には、今回の作品の数々はどのように映ったのか。広告界の最前線で活躍するクリエイターでもある審査員の方々に、本音で語っていただきました。

サン・アド 笠原千昌
たくさんのコピーの中でも、気になるコピーはキラーンと光ります。似ているようでも、確実に違いがあるんですね。なんでか?自分で書いたコピーをもっと大事にしてください。書いた後に、本当にそれでいいのか?他に言い方はないのか?よーくそのコピーと話し合って、1本のベストコピーを見つけてください。

博報堂 川島章弘
投稿者がどのコピーを書いたのかは分からないのですが、続けてどれくらいの数を応募しているかは、コピーの意図を書く欄の書式で、なんとなく分かります。案数が多過ぎるひとは、ひとつくらい引っ掛かるイメージがあります。ごく稀に複数残る方は、応募数は10から20程度のようなイメージがあります。コピーの意図を読んで、気持ちが変わったことは、今までありません。次回以降の参考にしてください。

博報堂 神田祐介
同じクラスの中でちょっと変なことをしてる人が注目を浴びるのと一緒で、たくさんの応募作品の中で一際目を惹かれるのは普通とは違うちょっと変わった切り口で書かれたコピーでした。この「ちょっと」が大切で奇をてらうのではなく「ちょっと」だけ普通とずらした切り口の発見が心をくすぐるコピーなのだと感じました。

かんべ笑会 神戸海知代
コピーを審査するときの感覚は、ふわふわと水中を漂うダイビングに似ています。適度な緊張感とリラックスを大切に、アタマのなかで中性浮力を保ちながら、一つひとつに向きあいました。良いコピーに会うたびに、ぶわっと流れを感じます。そんな潮流を生みだすチカラのあるコピーを私も書きたい、と何度も思いました。

電通関西支社 絹谷公伸
「年収、学歴、見た目、身長、トーク、過去の栄光、血管年齢、ミシュランの星数、毛髪の本数、TOEICのスコア」。まあ、世の中で目立つ方法はいろいろあるけど、コピー一発で目立つのが一番かっこいいぞ。だろ?

大広九州 國武秀典
良い企画やコピーは、ダラダラしていない。短いコトバで、射抜く力を持っている。長~い文字数のグランプリを見たことありますか?

電通 倉成英俊
アドタイの審査員リレーコラムに書いた「無名の、僕の最初の、コピーの師匠」西川氏。僕が新人時代に賞を頂いた時 …