BtoB、BtoCのECプラットフォームに加え、いま勢いを増しているのがCtoCのECプラットフォーム市場。日本でもCtoCの個性的なオンラインマーケットが、一定の地位を確立しつつある。日本最大級のハンドメイドマーケットを運営する「minne」と、200万点もの膨大なアイテムを内包する「Sumally」。独自のサービスを展開する2社の代表の方々に、発展の秘訣を聞いた。
アマゾンとグーグルが苦戦した"レコメンド機能"の落とし穴
―各社の提供サービスについて教えてください。
佐藤:GMOペパボが運営するCtoCオンラインマーケット「minne(ミンネ)」は日本最大級のハンドメイドマーケットです。もともと当社は個人向けレンタルサーバーを扱うインフラ事業やレンタルブログを運営するコミュニティ事業を行っており、インターネット上で何らかの表現をしたい人向けにサービスを展開してきました。
2012年にサービスを開始したハンドメイド作家のためのマーケット「minne」は、その延長線上にあります。アナログ世界の表現者とインターネットをつなぐ媒体になり、消費者に作品を届ける事業を目指しています。現在アプリは690万ダウンロードを超え、minneは32万人以上の作家を抱える巨大マーケットに成長しました。
アマゾンも2016年からハンドメイドのマーケットプレイス「Handmade at Amazon」を海外で展開しているため、競合になる可能性はわずかながらありますが、ライバルにはならないかな、と。ターゲットが違うので、別のフィールドでそれぞれ成長していく気がします。
山本:サマリーは、会社名と同じ「Sumally」というソーシャルメディアを運営しています。200万点以上もの膨大なアイテムの中から欲しいモノ、持っているモノを登録し、自分のお気に入りを並べたり、一部すでに持っている人から買ったり、逆に自分から売ったりすることができる自由度の高いサイトです。
おすすめの商品がピックアップされるリコメンド機能はアマゾンに似ているところもあります。でも、この機能についてはアマゾンですらも模索中のようで……。驚異的な精度の高さを誇る本やCD以外の分野で、消費者が本当に気に入るレコメンドを届けるのは難しいようです。
佐藤:確かに完璧なパーソナライズを実現するには、まだまだ時間がかかると思います。minneの場合、作家が自由に作品名を付けているので、作品名だけでマッチングをすることができず、画像解析技術を使って作品をレコメンドするようにしていますが、精度を上げるのはなかなか至難の業ですね。
山本:それこそアマゾンだけでなくグーグルも、かつて展開していたアパレル間コマースのプラットフォームではレコメンド機能に手を焼いたそうですよ。
例えば、ある女性の行動履歴をもとに赤いワンピースをレコメンド表示するとします。画面には …