「テレビ」「雑誌」「新聞」「OOH」の主要メディアで今起きている変化と、今後の進化の行方を各メディア専門家が解説する。
デジタル対応した出版社のプロパティ
90年代後半、インターネットが生活者に身近なものとなり、これまでは情報を受け取るだけだった個人や団体が、『発信者』や『コンテンツプロバイダー』に変化して以来、雑誌メディア市況には陰りが見え始めた。
それから約20年の間には、人口動態の変化による読者層の減少も影響した、緩やかなダウントレンドに重ねて、スマートフォンの普及による情報接触環境の激変、さらには、雑誌閲読経験をほとんど持たないまま成長したデジタルネイティブ世代の増加が追い打ちをかける形で、いよいよその陰の色を濃くしてきている。
しかし、こうした市況の変化が、雑誌メディアから広告的価値をすべて取り去ってしまったかというと、決してそうではない。現在も、出版社は版元ならではのプロパティを数多く保有しており、その活用の仕方次第では、高い効果をあげられるのが雑誌メディアである。
まず、出版社には、広告主が『伝えたい情報』を、読者が『知りたい情報』に加工・変換するチカラがある。ともすると、広告主が『伝えたい情報』は一方的で、生活者の興味を十分に惹けないままにスルーされることもあるが …
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