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アナログメディアの進化を広告販促に生かす!

メディア企業のイノベーション 今、世界で何が起きているのか?

中村 伊知哉(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授)

紀元前から現在に至るまで、メディアは時代の潮流に合わせて姿形を変え、人々の暮らしに寄り添ってきた。時には生活を激変させ、時には文化を育ててきたメディアは、今後世界でどのように利用され、どのような影響を与えていくのだろうか。

図表 これまでのメディアとコンテンツ

アナログ→デジタル、スマート→脱スマートに

現在、世の中にはさまざまなコンテンツが存在しているが、その原点となるのは動物の骨だった。スロベニアにある4万3000年前の地層から発見された、アナグマの大腿骨を使った笛。それが奏でる音楽が世界初のコンテンツだ。その後、約1万5000年前にラスコー洞窟で壁画が描かれ、約1万年前に文字が生まれた。コンテンツは、音・映像・文字という順番で生まれたのだ。

その後長い時を経て、最初に大衆化されたのは、文字表現。1455年、グーテンベルク活版印刷。写真は1826年、ニエプス。音は1877年、エジソンのフォノグラフ。コンテンツと逆で文字、映像、音の順だった。ちなみに動画は1885年、リュミエール兄弟が初。

20世紀に電話やテレビが普及し、テレコミュニケーションの時代が到来し、場所と時間にしばられることがなくなると、次に大きな変革が起こったのが約30年前。1983年に誕生した任天堂のファミコンは、お茶の間や映画館で「見る」ことしかできなかった映像を「遊べる」ものに変え、アナログメディアの多様化が進んだ。90年代に入るとマルチメディアブームが起こり、PCが大衆化。インターネットが普及し、映像・音楽・ゲームなど、あらゆる情報がデジタルネットワーク上にアップロードされた。

そして5年ほど前から、スマートフォンやタブレット、デジタルサイネージなどの新たなメディアが登場。さまざまなメディアに映像を同時配信するマルチデバイスが身近なものとなり、通信や放送がすべてデジタル化された。いわゆるクラウドネットワークだ。しかしコンテンツそのものが ...

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