子育てに忙しいママ世代を中心に、お役立ち動画を提供する動画メディア「MAMADAYS」は、公開から1年足らずで、月間視聴者数800万UU以上、ファン数50万UUと多くの支持を獲得している。編集長を務めるエブリー 宮下ゆりか氏にその快進撃の理由を聞き、現代のママ市場と、シェアされるコンテンツづくりに迫る。
『1分動画で課題解決』こそママが求めていたメディアの形
「MAMADAYS」は『ママの課題解決』をテーマに毎日動画をFacebookやInstagramを中心に配信している。2016年2月にリリース後、公開から1年足らずで、25~44歳の既婚女性たちを中心とした約800万UUの月間視聴者と約50万UUのファンに支持される国内最大級のメディアに成長した。
編集長である宮下ゆりか氏は、「ママの課題解決の手段はあればあるほど良い」という。言葉でのコミュニケーションが行えない乳幼児との生活において、家事や育児でぶつかる課題は思わぬことが多い。状況や環境によって適した解決策は異なるので、多様な手段を持っていることで救われるシーンが多いという。
現代のママは、核家族化によって、家事や育児にまつわる課題解決策が手持ちに少ないことに苦悩しているという。核家族化以前は、親や祖父母が家事や育児の知恵を伝えてくれるので、ママに蓄積される課題解決策は自然と多かった。さらに、雑誌・テレビ離れの深刻化も、手持ちの課題解決策が少なくなったことに影響しているという。かつてはママにとっての雑誌・テレビの役割とは、解決できないと諦めていた悩みを改めて顕在化させることや、知らなかった解決策の発見を与えることだった。
しかし、雑誌・テレビ離れの顕著な現代のママは、課題にぶつかるたび、自ら検索して解決策を得なければならない。忙しいママにとって、大きな負担である。
そうした悩みに対して、日常的に閲覧しているSNSのフィード上で「MAMADAYS」がママの課題を顕在化させ、1分動画で解決策を提案する。片手に子どもを抱えるママでも、スマホで手軽に、しかもスキマ時間でサクッと解決策を得られる。
役立つ情報の「シェア」が現代ママのコミュニケーションツール
「MAMADAYS」を運営するのは、料理動画メディア「DELISH KITCHEN」や女性ライフスタイル動画メディア「KALOS」などを展開するエブリー。企画から撮影にいたるまで、すべて自社で行っている。「MAMADAYS」のコンテンツづくりでは、実際のママたちから得たリアルな声を重視する。自社で定期的にママ会を開催したり、ママ社員を積極的に採用したりすることで、リアルなママの課題を得ている。
また、ユーザーとの双方向的なコミュニケーションをコンテンツづくりに大きく生かしているのも特徴だ。コメント欄や動画内で悩みをユーザーに問いかけ、コミュニケーションを毎日欠かさず行っている。その中で出た悩み相談やリクエストもママのリアルな声としてコンテンツに反映させている。
コメント返信も自ら行う宮下氏は、ユーザーとのやり取りを通して「役立つ情報を『シェア』することが現代ママたちのコミュニケーションツール」だと感じたという。
例えば、ママなら誰しも経験する悩みのひとつ「赤ちゃんの夜泣き」。「ママ友同士、助け合う気持ちも強いので、『みんなもきっと、夜泣きに悩んでいる』と共感し、信頼した情報はシェアして広げる。赤ちゃんとは言葉のコミュニケーションが取れないために泣いている原因がつかめず、多様な手段を試してみる必要があるので、手段が増えることはママにとってありがたい。有効な情報をシェアすることがママ友との関係を深めるきっかけにもつながっています」(宮下氏)。
またコメント欄は、ユーザーの集まるコミュニティにもなっている。ユーザー間でアドバイスや、動画で紹介した以外の方法の提案、さらには、悩むママへの励ましも活発に行われている。その様子からも、多くのママが「MAMADAYS」を支持し、信頼していることがうかがえる。ママに寄り添うコンテンツづくりで、高いエンゲージメントを獲得しており、シェアは1000件、コメントは100件というコンテンツも多い。
動画を通じてママを幸せに、世界中をも幸せにするメディアに
「子どもを持つママの7割が働いていると言われています。家事や育児に加えて、仕事でも忙しいママにもストレスなく見てもらう工夫を随所にしています」と宮下氏。例えば、再生時間は1分以内、音を再生しなくても情報がわかるようテロップを入れる。作業工程は、離乳食の『すりつぶす』工程なら、ビニール袋で簡単・時短に洗い物なく、という具合だ。
さらに、管理栄養士がコンテンツ制作に携わって栄養バランスの良い離乳食を提供するなど、ママが気になるポイントも外さない。「時短」「身近なもの」「具沢山」「栄養たっぷり」といったキーワードがあるコンテンツが、シェアされる傾向にあるという。「ママたちの家事・育児のハードルを下げ、時間がない中でできるアイデアを積極的に紹介しています」(宮下氏)。
ママに寄り添ったコンテンツづくりと、エンゲージメントの強さ、加えて、テレビや雑誌ではリーチできない層に効果的にリーチできるメディアとして、企業側からも高い注目が集まっている。家庭日用品を扱う旭化成ホームプロダクツや、トイレタリー用品、ベビー関連用品、雑貨・衣料アパレル企業など、これまでタイアップを行った企業のジャンルはさまざまだ。
今後はリアルな場でのイベントも行っていきたいと語る宮下氏。「コメント欄に寄せられたママたちの声を見ていると、『ひとりで悩むママが多い』ことを実感する。育児や家事の悩みは増える一方で、気軽に相談できる人が身近にはいない。現代のママたちのためにも、『MAMADAYS』を新しい出会いの場としても進化させ、リアルとデジタルの両側面から、ひとりでも多くのママを幸せにし、ひいては世界を幸せにするメディアにしたい」と語った。
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