IoTにAIと、日々、社会や生活を変えるテクノロジーの話題に事欠かない現在、経営層にもデジタル活用の重要性が浸透しつつある。そこでマーケターの中でも特にデジタルに精通した人材は、引く手あまたの状況と言える。しかし売り手市場でありながら、編集部の取材では、なぜか最近、困難な状況に陥っているデジタルマーケターが多い…という声が聞こえてくる。デジタルマーケターとして外資系企業で3回の転職を経験したAさんに、その内情を聞いた。
―デジタルマーケターを採用したい企業は多いのではないでしょうか。
確かにオファーは多く売り手市場なのですが、周囲を見ても、ここ2年ほど、困難な状況に陥ってしまうデジタルマーケターが増えているんです。実は僕も経験したのですが、外資系企業の場合には本国の判断で採用が決まった後に、行くはずの部署の予算が大幅にカットされる、ひどい場合には日本から事業撤退することになり、就くはずだったポジションがなくなる…ということも。
それ以来、「日本市場でのシェアが低い企業は要注意!」と思って、入社を決める際には時価総額や株価の他、世界市場でのシェア、日本市場でのシェアを注意深く、確認するようになりました。外資ならではの落とし穴だと思います。僕の場合には本国からやってきた上司が「部員を全員、ネイティブな英語のスピーカーしてほしい」と言い出して、退職のプレッシャーをかけられる…という経験もしました。
―職場の環境は、どんなふうに調べているのですか。
これまでに転職で失敗もしたので、僕は入社を決める前に ...
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