専門スキルを磨き、マーケターとしての実績を積んだ先には、どんなキャリアの可能性が広がっているのでしょうか?また、活躍の場を広げるために必要なこととは?複数企業でマーケティング領域の業務を経験した“プロマーケター”に、自身のキャリアの軌跡を振り返るとともに、キャリアに対する考え方を聞きました。
業種・商材は不問!自分が愛するブランドを、多くの人に届け続けたい
[ 気になる、あのこと 一問一答 ]
1 ご自身のスキルで最大の強みは?
大きく分けると「専門性」と「実行力」。前者は、360度の統合的なマーケティングプランニングと、デジタルマーケティング、CRMという3つの経験・スキル。後者は、既存のルールに捉われず、ピンチもチャンスと捉えてプロジェクトを推進できる「グロースマインドセット」です。
2 転職を考えるきっかけとなったことは?
6回の転職のきっかけはそれぞれ異なりますが、マーケターとしてキャリアを積むために、その時の自分に足りないものは何かを明確にし、それを習得できる環境を選んで転職をしてきました。ロールプレイングゲームのキャラクター育成のイメージに近いです。
3 生涯、マーケターとして仕事がしたい?
はい。自分が本当に愛するブランドを、顧客にも届けていくという仕事を続けていきたいです。独立や起業ではなく、企業に所属するプロマーケターとして、マーケティングに携わっていきたいと考えています。ただし、将来はマーケティングのバックグラウンドを活かしたマネジメントのプロを目指しています。
転職とロールプレイングゲームは似ている?
新卒で入社したのは音響メーカーのパイオニア。学生の頃からマーケティングを志向していた遠藤克之輔さんは以降、現職のフェラーリ・ジャパンを含め計7つの企業を経験しながら、着実にマーケターとしての経験を重ね、専門的なスキルを磨き続けてきた。
ファーストキャリアのパイオニアでは、国際物流を4年半担当。生産・販売・在庫の計画・管理の仕事を通じて、メーカーが最終消費者に商品を届けるまでの全行程を理解するとともに、ビジネスの基本的な進め方を学んだ。4年半のうち最後の1年は情報システムチームとして管理システムの開発に従事した。
遠藤さんが転職を考えるようになったのは、自身の専門スキルの不足を感じたことがきっかけだった。「マーケティングをやりたいということは4年半の間も言い続けていましたが、異動の決め手になるような説得材料が何もなかったんです。この会社でこのまま働き続けても、マーケターにはなれないかもしれない……そう考え、マーケターになるために必要な実務経験を積むために、外に出ることを決めたんです ...