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「逃げ恥」プロデューサーが語る制作秘話、エンターテインメント戦国時代のテレビコンテンツに必要なもの

那須田淳、峠田 浩

2016年10月11日に、火曜夜10時の連ドラとしてTBS系でスタートした『逃げるは恥だが役に立つ』は、初回視聴率10.2%と同枠の連ドラで初の二桁発進を達成。以降も、視聴率は下がることなく上昇し続け、最終回の平均視聴率は20.8%と、同枠史上最高を記録した。「逃げ恥」の愛称で社会現象ともなった同ドラマのプロデューサーに、ドラマのコンテンツ制作とプロモーションのポイント、そしてテレビドラマというエンターテインメントに対する想いを聞いた。

那須田淳さん(なすだ・あつし)(左)1988年TBS入社。ドラマ、バラエティ、映画の演出・プロデューサーを多数手がけ、現在、事業局映画・アニメ事業部長兼制作局ドラマ制作部。プロデュース作品に、ドラマ『パパとムスメの7日間』『流星の絆』『ウロボロス』『コウノドリ』『重版出来!』、映画『恋空』『ハナミズキ』『ビリギャル』など。

峠田 浩さん(たわだ・ゆたか)(右)2004年TBSに入社。報道局や情報制作局で編集長や政治部記者、ディレクターとして多数のニュース番組を担当。選挙特番、報道の日など報道特番の演出も行う。2014年に制作局ドラマ制作部に異動し、2015年に『コウノドリ』、2016年に『毒島ゆり子のせきらら日記』のプロデューサーを担当。

ドラマの楽しみ方を多角的に提供

ロングラン番組のパロディ仕立てになっている主人公の妄想シーン(写真左)や、エンディングの「恋ダンス」(写真右)など、視聴者の楽しめるポイントを盛り込んでいる。

新垣結衣さん・星野源さん主演の連続ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』は、講談社『Kiss』で連載中の海野つなみさんの少女マンガが原作のラブコメディ。脚本を『空飛ぶ広報室』や『重版出来!』など数々のヒットドラマ・映画を手がけてきた野木亜紀子さんが担当した。

ドラマのテーマは「契約結婚」。恋人も職もなしという窮地に立たされた主人公が、人生で一度も恋愛をしたことがない高学歴IT企業社員と、ひょんなことから「ビジネス婚」をするという設定だ。

ドラマ化のきっかけと、コンテンツ制作に込めた想いについて、プロデューサーの那須田淳さんは次のように話す。「原作を読み、ラブストーリーとコメディが絶妙に絡まった物語に夢中になりました。加えて、根底には、『働き方』や『生き方』といった、あらゆる世代がそれぞれの立場で共感できるテーマが据えられている。

多くの人に楽しんでもらえるドラマになると思いました。コンテンツの制作において最も重視したのは、『視聴者に、ドラマの楽しみ方を自ら見つけてもらえるような仕掛けをたくさん盛り込むこと』。ドラマの色々な楽しみ方を …

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