「宇宙人ジョーンズ」(サントリー)、「こども店長」(トヨタ自動車)など、人気のCMシリーズを数多く制作し続けているCM プランナーの福里真一さんと、実力派女優として数々のドラマや映画、CM、ひいてはバラエティ番組でも活躍が光る松岡茉優さん。そんな各所から引っ張りだこの二人が語る。
足立:福里さんは「宇宙人ジョーンズ」や「こども店長」など、インパクトのある作品をたくさんつくられていますが、企画はどう考えてつくっているのでしょうか。
福里:まず、広告する商品やブランドと、人の暮らしとのかかわり方から考えるタイプです。それって結局は、「商品が生まれた意味を考える」ことにつながるんですよね。どんな商品も何らか人の生活にポジティブな影響を与えるために生まれてくると思うので、そこを描くのが、一番本質的というか、世の中の人が受け入れやすいCMになる可能性があると思っています。
私のつくるCMって、見たこともないような斬新な映像になっているものってほぼないと思うのですが、それは「この商品があることで、人の暮らしがどう変わっていくのか」を日常の中で描いていくから。その分、CMを見てくれた人に親近感を持ってもらいやすい内容にはなっているかと思います。
足立:確かに、福里さんのCMには必ず人がでてきますよね。
福里:人が出てこない、スタイリッシュでかっこいい映像とかって、どうやって思いつけばいいのかわからない。『斬新なクリエイティブをつくるぞ!』という感じではないんですよね。だから、若手のクリエイターたちにまったく憧れてもらえない(笑)。基本的にバカにされてます。
足立:そんなことはないですよ(笑)。ちなみにアイデアはどこから湧いてくるのでしょうか。
福里:“自然に”というのは、結構大事にしています。強引に面白くしようとひねった企画では、消費者の人たちがそのCMを受け入れづらくなるように思うので ...