自動車業界のイノベーションがメディアの拡大につながる理由とは
当社は、消費者と企業の接点となる広告メディアの開発を行っています。最近は、VRや人工知能など最新のテクノロジーが話題になっていますが、広告ビジネスの土台を築いているのはテクノロジーではなく、消費者のメディア滞在時間。滞在時間が短いメディアは収益が上がらず広告効果が低い一方、滞在時間の長いメディアは、有望な見込み顧客と接触を重ねる優良なチャネルになっています。
今から約10年前、スマートフォンが発売され、新たなメディア接触の時間が生まれました。モバイルメディアの滞在時間はスマートフォンの出荷台数とともに伸び、北米では全体の25%を占めるまでに。しかし2010年を境に成長率は急速に下がり、現在はモバイルメディアのある生活が当たり前になっています。
それでは今後、どのようなメディアが創出されるのでしょうか。当社は消費者の移動手段の変化に注目しています。例えば自動車業界では、配車サービスやカーシェアリングなど、自分の所有車以外の車両で移動できる「ライドシェア」が広まり、大きなイノベーションが起きています。さらに自動運転の技術も飛躍的に進歩し、2025年には全世界の新車市場の15%が部分自動運転、もしくは条件付き自動運転が可能な車種になると言われています。2割にも満たない数値と思われがちですが、これはあくまで全世界のデータです。先進国の自動運転の導入は急速に進むことが予想され、2025年には完全自動運転の自動車が65万台出荷される見込みとなっています。
このイノベーションと技術革新を踏まえると、現在タクシーが行っている業務に自動運転の自動車が加わり、近い将来より手軽な移動が可能になります。そして一般的なドライバーが一年間に費やす110時間もの運転時間が可処分時間となり、車内での新たなメディア滞在時間になると考えられます。
こうした予測のもと、当社は東京最大手のタクシー・ハイヤー会社である日本交通と連携し、消費者との新たな接点の創出に取り組みました。まずはタクシーの助手席後部にタブレット端末を設置し、近隣エリアの情報とともに配信する広告枠の販売を行いました。そしてタブレットのカメラ機能を利用し、年齢と性別の判断が可能な顔認識技術によりターゲットに適した広告を表示する仕組みを構築しました。動画の視聴者がタブレット利用後にオンライン上でどのような行動を起こしたか追跡できるシステムや、効果測定機能も用意しています。すでに大手企業にも広告枠を利用してもらい、都内で3500台、月間200~300万人のタクシーユーザーに接触しています。
自動運転化の浸透には時間がかかるため、この技術が即時的に新たな広告メディアとなるわけではありません。しかし、ライドシェアや自動運転化を見据えると、まずはタクシーの広告効果を高め、その収益により、運賃をおさえてタクシーをより気軽に利用できる交通手段にすることが直近の目標として考えられます。社会の変化によって新しく生み出される時間を、どのような技術で付加価値の高いメディアにしていくのか。当社は今後も、新たな接点の開発に挑戦し続けます。
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