デジタルの浸透が顧客との接点を格段に増やし、そこで必要となるコンテンツの量も拡大の一途をたどっている。ブランドの世界観を表現する質を担保しながら、いかにスピーディなコンテンツ制作を実現できるか。約30名のクリエイターを抱える、ナノ・ユニバースの取り組みを追った。
閉店後の店舗で一人商品をパッキング

越智氏をはじめとする、WEB戦略部の制作チーム。ナノ・ユニバース本社近くにある、常設の撮影スタジオにて。
デザイン性を重視したオリジナル企画の衣料品、独自視点でセレクトした海外製品の販売を手がけるナノ・ユニバースは、ファッション通販のZOZOTOWNでブランド売上額ナンバーワンを誇るなど、近年オンラインでの販売に注力。現在は自社ECの他、ZOZOTOWN、Amazon、楽天、マガシークなど国内7つの通販サイトへと販路を広げている。
これらの施策を牽引してきたのがWEB戦略部長の越智将平氏だ。2002年にナノ・ユニバースに入社した当時は、店頭の販売員からキャリアをスタートさせた。「自分がECの担当になるとは思ってもいなかった」と当時を振り返る。
店長をしていた2004年、ZOZOTOWNのサービスがスタート。担当に任命され、閉店後に売れ残った商品を一人パッキングして発送したところから、ECへの関わりが始まった。「初月の売上は100万円。ZOZOTOWNの販売サポートの仕組みが優れていたことが大きいですが、片手間でやった仕事で、これだけ売れるの?と驚いたことを覚えています」。
その後、アパレルEC市場は加速度的に活性化。今では当時の何百倍もの売上を誇るまでに成長している。「2年ほど続けていると、自分たちにはまだわかっていないけれど、ECの世界にはノウハウがあって、それが理解できれば、もっと成長できるのではないかと考えるように …