広告マーケティングの専門メディア

           

ニューヨーク視察研修ツアー2016

『異種格闘技戦』で競争激化 エージェンシーはどこへ向かうのか

コンサルティング会社やプラットフォーマーなどが相次いで広告ビジネスに参入する中、大手クライアントのマーケティングを支援してきたエージェンシーは自らの強みを明確にし、それを研ぎ澄ましていくことが求められている。

イノベーティブであり続ける

R/GA

2016年初頭に移転したR/GAの新オフィス。働きやすさを重視したという。

「次世代エージェンシー」のあり方を体現しているとして、その実績から経営陣の発言までもが注目されるR/GA。チーフ・ストラテジー・オフィサーのバリー・ワックスマン氏によると、1977年の創業以来9年ごとに、環境変化や時代の要請に合わせて会社の業態やビジネスのあり方をシフトさせてきた。

当初は映画に使うビジュアル効果を制作する会社だった。その後テレビCM制作にシフトし、1995年からは「インタラクティブエージェンシー」へ。そしてデジタルテクノロジーを駆使してあらゆるサービスを提供する体制に進化させた。2013年から現在に至るまでは、「Connected Age(インターネットを通じてすべてがつながる時代)」に即したエージェンシーを掲げる。

R/GAの事業を収益構造で見ると、「ベンチャー投資・アクセラレーター」(株式売却益)、「イノベーションのコンサルティング」(成果報酬)、「エージェンシー業務」(リテナーフィー)、「プロダクション業務」(制作フィー)、「ライセンスビジネス」(ライセンス料など)の5つに分けられる。複数の収益源を持つことで事業リスクを分散させつつ、新たな領域に投資を続けている。ワックスマン氏によると、上記のうち将来性が見込めるのが「ベンチャー投資」と「イノベーションのコンサルティング」。一方で、「エージェンシー業務」への見通しは「プレイヤー多く競争が激しすぎる」とやや悲観的だ。

参加者からの「なぜ9年周期なのか」との質問には、「新しいテクノロジーが生まれ、やがてコモディティ化し次のテクノロジーに取って代わるまでがおよそ10年。我々はそれが終わる前に …

あと70%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

ニューヨーク視察研修ツアー2016 の記事一覧

在米コンサルタントが解説 ニューヨークから俯瞰する 世界の広告ビジネスの今
変わらなければ生き残れない 進化を続ける広告手法
『異種格闘技戦』で競争激化 エージェンシーはどこへ向かうのか(この記事です)
積極的なM&Aと人材採用による「コンテンツ」獲得合戦

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する