2017年に注目すべきものとは?「デジタル・テクノロジー」「経営とマーケティング」の2つのテーマで、各分野の有識者が予測する。
デジタル・テクノロジー
ネット広告の健全な市場成長が広告主にとっても関心事に
2016年は当社を含め、広告主のネット広告費への投資が大幅に拡大するなど、デジタルシフトが本格化した1年でした。その中でネット広告市場の健全な成長が広告主にとって重要な課題に。日本アドバタイザーズ協会でも11月に、デジタル環境下における広告活動の適正化と広告取引の透明化を実現し、生活者から信頼される広告の発信を目指した取り組みを推進する「デジタルメディア委員会」が設立されるなど、広告主のネット広告に対する関心はより一層高まっています(注:同委員会は小出誠氏が委員長に就任)。
広告主の変化に応え、マスメディア企業のデジタルシフトも急速に進みました。テレビの世界では2015年秋に在京民放5局の公式ポータル「TVer」がスタート、2016年4月にはテレビ朝日とサイバーエージェントによるインターネットテレビ局「AbemaTV」が開局、また出版社でも動画制作チームやデジタルだけのメディアを立ち上げるなど、紙の雑誌に限らないビジネスを模索する動きが活性化しています。
これらマスメディア企業のデジタルシフトにも注目していますが、広告主にとって最大の課題は、デジタルメディアが増える中で、旧来のマス広告とデジタルをどう組み合わせてリーチの最大化や適切なフリークエンシーを獲得すべきか。当社でも2015年の秋から、複数のキャンペーンで適切な投資配分を試行する取り組みを始めています。
確かに若年層を中心に、テレビだけでは …