「日本のマーケターの集合知をつくる」ことを目的に設立された「JAPAN CMO CLUB」。すでに参加企業も50社を超えている。定期的に開催している異業種のマーケターが集まる研究会の場で見えてきた、これからの日本のマーケティングが進むべき道とは。
強いブランドだからこそコラボのアイデアも広がる
9月8日開催の14回目の「JAPAN CMO CLUB」研究会の参加企業は、アンファー、ABC Cooking Studio、星野リゾート、ユナイテッドアローズの4社で、まさに独自市場を創造してきた、パイオニア企業。しかし、強いと言われるブランドだからこそのマーケティングの課題に共通点も見えてきた。
研究会恒例となった、他の参加企業のマーケティングアイデアを事前に考え、発表しあう場では、これまで以上に議論が盛り上がり、またコラボレーションのアイデアへと話が膨らんだ。
ユナイテッドアローズブランドの体験の場を増やしていこうと、家具など住空間のライフスタイル提案もしている同社の高田賢二氏からは、同様の展開を星野リゾートにも応用できないか、との提案があった。「『星のや』に行けない時でも、日常の生活空間で星のや的な非日常感を味わえるような商品開発ができないか」と高田氏。これを受けて、星野リゾートの佐藤大介氏からは、「各部屋に備え付けられた『ブランドブック』が、星野リゾートの体験を自宅に持ち帰ってもらうツールの目的で制作している。このブランドブック以外にも日常の中でも、新しい接点開発の可能性は大いにある」と賛同の声を上げた。
料理教室だけでなく「食を通した新たなサービス」へと事業ドメインの拡大を図ろうとするABC Cooking Studioでは、教室に通う以外にもブランドと接点を持つ場をつくろうと模索している。すでにヘルスケア事業にも着手している同社の吉村佳子氏からアンファーの臺智紀氏に対して「当社では生徒さんに健康面を踏まえた献立提案もしている。アンファーさんはドクターの方たちとのネットワークを生かし、商品提案に際してドクターによるカウンセリングに加え、食の提案などの機会を設けたらどうか」との提案がなされた。また、そのカウンセリングに際しては教室というリアルな場を持つ、ABC Cooking Studioとのコラボレーションもありうるのではないか、と話は発展した。一方、臺氏から星野リゾートに「受付の支払いや料理のオーダーなど、子供にとってチャレンジになるような子供専用ホテル」の提案があるなど、議論は盛り上がった。
議論を受けて「JAPAN CMO CLUB」の加藤希尊氏は、「今回は特にコラボレーションに関するディスカッションが盛り上がった。参加者の方たちが社名を聞いただけで、お互いの企業やブランドが提供する体験価値を理解しあえていたからこそ」と話し、会議室から生まれたコラボレーションのアイデアの具現化に期待を寄せた。
お問い合わせ
「JAPAN CMO CLUB」の活動報告は、随時、宣伝会議運営のWebメディア「アドタイ」にてレポート中です。
http://www.advertimes.com/special/cmoclub/
(本組織はセールスフォース・ドットコムと宣伝会議が共同で設立したものです)