「wisdom」のリニューアルに学ぶコンテンツのあり方
NECは、自社情報メディア「wisdom」を10月にリニューアル。2004年より10年以上に渡って貫いてきたメディアポリシーを見直し、より事業に貢献するサイトへと再構築を進めている。
失敗しない!「コンテンツマーケティング」
日本でも話題になっている分散型メディアの仕組みは、メディア運営企業だけではなく、ブランドコンテンツを提供する企業にとっても重要なものになってきている。ここでは分散型メディアとは何なのか。そしてブランドコンテンツにおいて分散型メディアをどのように捉えれば良いのか説明していく。
図表1 通常のメディアと分散型メディア
海外で動画ニュースを中心に提供するNowthisは、2015年2月にオウンドメディアを閉鎖した。現在は7つのプラットフォーム(Facebook、Snapchat、Twitter、Instagram、Vine、Tumbler、YouTube)へのコンテンツ提供に専念することでビジネスを行っている。
これは極端な例ではあるが、ニュース等のコンテンツ提供を行うメディアが、オウンドメディアだけでなく、さまざまなプラットフォームを通じてコンテンツを提供し、リーチやコンテンツビュー数を獲得していくようなメディア運営方法を「分散型メディア」*という。マーケティングに関わる人にはプラットフォームではなく、チャネルといった表現のほうがしっくりくる方もいるかもしれないが、ここではプラットフォームに統一して話を進めていく。
分散型メディアは、コンテンツ提供を効率化しビジネスを最適化する運営方法として注目を集めており、メディア運営企業にとってコンテンツマーケティングに対応していくための方法のひとつであると言える。
これまで通常のメディアは、SEO(検索エンジン最適化)によって検索エンジンのランキング上位を目指したり、SMO(ソーシャルメディア最適化)によってソーシャルメディアにコンテンツへのリンクをシェアしてもらったりすることで、自社メディアへの流入数を増やしコンテンツビュー数の拡大を行ってきた。
分散型メディアでは、コンテンツそのものをソーシャルメディア等のプラットフォームへ提供することにより、自社メディアだけに限らずトータルでのコンテンツビュー数を拡大することを狙っている。
つまり、自社メディアはユーザーとの数ある接点に過ぎず …