メディア&クリエイティブ 時代に合わせて企業理念の表現は変わる!――CASE1 日立製作所
創業の理念や、世の中への提供価値など、その企業が持つ『DNA』は、時代が変化する中でも普遍なものと言えます。しかし、その伝え方は、消費者の価値観や行動パターン、メディア環境の変化に合わせて変えることが求められます。企業広告におけるメディア選定とクリエイティブの考え方について、企業広告に継続的に力を入れる4社に聞きました。
企業広告の想像を絶する!?効果
いま、企業ブランドの価値を高めたり、ブランドへの共感を喚起・醸成する方法は、テレビCM、新聞・雑誌広告、交通広告など、従来型メディアを活用した「ブランド広告」だけに留まりません。デジタルテクノロジーを活用した空間演出や、異業種とコラボレーションしたライフスタイル提案など、既存の「ブランド広告」の型に捉われない、新しいブランドコミュニケーションに取り組んでいるロクシタンジャポンの活動に注目しました。
LINEとのコラボレーション動画は、実際にプロヴァンスを訪れて撮影された。LINEのキャラクターが、ロクシタン製品の原料の産地を紹介するストーリー。
ロクシタンジャポンでは近年、ロクシタンの世界観を広げ、新規顧客層にアプローチすることを目的に、異業種企業とのコラボレーションプロジェクトを積極的に実施している。チームラボと連携し、9月にスタートした体感型デジタルシアター「Digital Provence(デジタルプロヴァンス)」もその取り組みの一環で実現したものだ。
ロクシタン誕生の地・南仏プロヴァンスに広がる美しい自然と、ロクシタン製品の原料である植物の息吹を五感で体感することができるデジタル空間は、新宿にある4階建ての大型店舗「ヴォヤージュ・アン・プロヴァンス」で展開されている。1階のショップ入り口に設置されたデジタルサイネージ「フレグランスウォール」の前に立つと、プロヴァンスの植物のビジュアルと香りの中に鑑賞者の姿が写し出される。店内に進み、「フラワーテーブル」の上に好きな製品を置くと、その原料である植物と、使用方法がテーブル一杯に表示される。そして4階に上がると、そこには360度のパノラマにラベンダー畑が広がる「プロヴァンスシアター」が。さらに、ショップに併設されたロクシタンカフェでは、ラベンダーを使ったスイーツが期間限定で提供されている。鑑賞者の動きに合わせて変化するデジタルインスタレーションを通じて、ロクシタンの世界観を堪能することができる、従来型メディアを活用したコミュニケーションとは異なる新たな試みだ。
取り組みの成果は …