メディア&クリエイティブ 時代に合わせて企業理念の表現は変わる!――CASE1 日立製作所
創業の理念や、世の中への提供価値など、その企業が持つ『DNA』は、時代が変化する中でも普遍なものと言えます。しかし、その伝え方は、消費者の価値観や行動パターン、メディア環境の変化に合わせて変えることが求められます。企業広告におけるメディア選定とクリエイティブの考え方について、企業広告に継続的に力を入れる4社に聞きました。
企業広告の想像を絶する!?効果
2015年には全世界での販売台数が過去最高の20万を超えたポルシェ。スポーツカー以外に、プロダクトラインが広がる中で、日本でも販売台数を増やしているが、その中でブランド戦略にも変化が生まれている。
車種別プロモーションでもメインターゲット以外への拡散も狙う。写真は「718ボクスター」のキャンペーンの様子。
「小型で軽量、そしてエネルギー効率に優れたスポーツカー。私は自らが理想とするこうした車を探したが、どこにも見つからなかった。だから自分でつくることにした」(フェリー・ポルシェ工学博士)――。
完璧なスポーツカーをつくりたいという、フェリー・ポルシェ氏の個人としての想いから始まったブランド「ポルシェ」。それゆえ、日本でも高級なスポーツカーとしてのイメージが強いが近年は、「マカン」や「パナメーラ」などスポーツカー以外の車種タイプも発売をし、日本市場でも販売台数を増やしている。プロダクトラインの広がりから、ポルシェ ジャパンのブランド・コミュニケーションの方針もここ数年で、変化をしてきた。
ポルシェ ジャパンマーケティング部部長代理の松岡直紀氏は「プロダクトラインの拡大の他、以前に比べると市場が成熟化し、性能だけでの差別化が難しくなっているという環境変化の影響もある。スペック訴求だけでなく、エモーショナルな価値の訴求がマーケティング上、重要になっている」と話す。
商品そのものに対する信頼だけでなく …