メディア&クリエイティブ 時代に合わせて企業理念の表現は変わる!――CASE1 日立製作所
創業の理念や、世の中への提供価値など、その企業が持つ『DNA』は、時代が変化する中でも普遍なものと言えます。しかし、その伝え方は、消費者の価値観や行動パターン、メディア環境の変化に合わせて変えることが求められます。企業広告におけるメディア選定とクリエイティブの考え方について、企業広告に継続的に力を入れる4社に聞きました。
企業広告の想像を絶する!?効果
「『食と健康』のプロフェッショナルとして、常に一歩先を行く価値を創り続けます。」――明治ホールディングス、明治、Meiji Seikaファルマの3社からなる明治グループが掲げている理念だ。菓子、牛乳、乳製品、栄養食品、薬品・医薬部外品など、幅広いカテゴリーの商品を製造・販売する同社。明治乳業と明治製菓が統合し、その後の再編で「株式会社明治」が生まれた2011年以降、企業広告には一貫してこの理念が基本メッセージとして込められている。
明治としての企業広告は、明治乳業と明治製菓の「統合認知」を高めることからスタートした。統合前の2社が長年にわたって築いてきた「Meijiブランド」の認知は90%を超えていたが、一方でブランドに対する詳細なイメージを聞くと、それは同社が目指すあり方とは一致していなかったという。「歴史や伝統を感じる」「親しみやすい」といった項目に比べ、先述のグループ理念にも深く関わる「健康な食品を提供している」「原材料にこだわっている」「技術力がある」といった項目の評価は、決して高くなかったのだ。
「社名を聞いただけで『健康的』という印象を与える食品メーカーもある一方で、明治という企業に対する食品メーカーとしての印象はややぼやけていました。『明治製菓』『明治乳業』ならば、どんな商品を世に送り出している企業かイメージできても、『明治』と言われるとよくわからない。それが、統合直後の明治の実態でした」と ...