多様な生活環境で複雑化する意思決定プロセスを俯瞰的に捉える
創刊900号を迎えるにあたり、改めまして読者の皆さま並びに、月刊『宣伝会議』にご協力をいただいております皆さまにはこの場をお借りし、厚く御礼申し上げます。
マーケティングは、「メタ」で動かす。
月刊『宣伝会議』通巻900号を記念し、現在のマーケティング環境を各界の有識者の皆さまの意見を交え、 概観をした本特集。来たるべき未来の形も見えてきました。
マーケティングの世界では「十人十色」ならぬ、「一人十色」と、表現されるほど、一人の消費者の内にも多様な顔が見て取れます。ライフコースの選択肢が広がり、SNSを通じて共通の趣味を持つ仲間も見つかりやすくなった時代、他の人と同じように振る舞わずとも、自分自身の嗜好や信念を曲げずに生きやすい環境にあると言えます。
その時々で変わる、消費者の気持ちや嗜好。スマホが浸透し、消費者といつでも、どこでも日常の中で接点をつくれるようになっているからこそ、そのシチュエーションに応じた気持ちを推し量ることが、企業のコミュニケーションを成功させる上で、肝要になっています。
ターゲット層にどれだけ広くリーチできるか、という従来のメディアプランニングの発想だけでは立ち行かなくなり、ますます一人ひとりの消費者の視点に立ったメディアの選定とクリエイティブ開発が求められています。
ワントゥワンのマーケティングを支援する、テクノロジーも進化を遂げていますが、最終的にはデータの背後にある文脈をいかに読み解くか。さらには …