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広告と販売 成功の因果関係

国際広告賞で高評価の作品にみる、売上・ブランドへの貢献

カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル2016のクリエイティブ・エフェクティブネス部門と、アジア太平洋エフィー賞という、「施策の効果」を評価する2つのアワードで、高い評価を受けた施策に注目。売上やブランド価値向上に、どのように貢献したのかを概観します。

01 Monty’s Christmas

United Kingdom

広告主:ジョン・ルイス
広告会社:adam&eveDDB London

英国の百貨店 ジョン・ルイスのクリスマスキャンペーン。少年・サムと雄ペンギン「モンティ」との絆を描く心温まるCMを核に、多様な施策を展開した。公式SNS、インタラクティブ機能付きの電子絵本、オックスフォード店にオープンしたイベントスペース、関連グッズの販売など……。リアル/デジタルとさまざまなチャネルでモンティに触れてもらうことで、ジョン・ルイスに対する顧客ロイヤリティを高め、来店促進を狙った。動画は計3200万回以上再生され、関連グッズは3日で完売。最終的には、1億3200万ポンドの増収につながったという。

緻密な戦略と、その効果を加速する優れた表現の両方を満たし、広告主のビジネスを成長させたことで世界的に高い評価を受けた事例を通じて、「広告の成果をどう評価すべきか」を考えてみたい。

まずは、クリオ、ワンショーと並ぶ世界三大広告賞の「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル(カンヌライオンズ)」に注目する。「クリエイティブ・エフェクティブネス」部門は、クリエイティブワークの、ブランド価値向上や商品の販売に対する貢献度を評価する部門。前年度にいずれかの部門でショートリスト以上に選出された作品のみエントリーが可能で、2016年のエントリーは109点にのぼった。そのうち、グランプリ1点、ゴールド1点、シルバー4点の計6点が受賞。ここでは、グランプリを受賞したジョン・ルイスのクリスマスキャンペーン「Monty’s Christmas」[01]と、ゴールドを受賞したオールドスパイスの「SmellCome To ManHood」[02]、台湾のLCC タイガーエアの「Infrequent Flyers」[03]、アンダーアーマーの「I Will What I Want」[04]の4作品を紹介している。

02 SmellCome To ManHood

America

広告主:オールドスパイス
広告会社:Weiden+Kennedy Portland

ユニークなCMに定評のある、メンズボディケアブランドの「オールドスパイス」。今回は、息子がオールドスパイスを使うことで “大人の男性”へと変わってしまう寂しさを、母親たちが切ないバラードに乗せて歌い上げるミュージカル調。若い男性に向け、正しいデオドラントスプレーの使い方を啓蒙するキャンペーンの一環で制作されたCMだが …

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