消費者が能動的に情報を探し、選び取る時代。企業は膨大な情報の中から、自社が発信する情報を選んでもらう必要がある。こうした中、注目が高まっているのが「コンテンツマーケティング」。消費者のニーズに合った情報やコンテンツを提供することで関係性を構築していく同手法について、アウトブレインの嶋瀬宏社長が解説した。

アウトブレイン社長の嶋瀬宏氏の登壇の様子。当日はマーケティング担当者を中心に多くの参加者が集まった。コンテンツマーケティングに対する注目の高さが窺える。
コンテンツを基点にユーザーとの関係を構築する
アウトブレインは6月、企業のマーケティング担当者を対象としたコンテンツマーケティングセミナーを開催。近年、ますます注目が高まるコンテンツマーケティングの重要性と国内外の事例を基にポイントを解説した。
現在、国内200社以上のメディアと、30社以上の企業のオウンドメディアに対し、レコメンデーション機能を提供しているアウトブレイン。独自のアルゴリズムを用いて、メディアや企業が保有するコンテンツをユーザー一人ひとりの興味・関心に合わせてレコメンドしており、そのマッチング精度の高さが強みだ。
嶋瀬宏社長は「2015年から、日本でもコンテンツマーケティングの取り組みが本格化している」と話し、国内市場での関心の高さに言及。概念自体は決して新しくはないが、なぜ今、再び注目が高まっているのか。嶋瀬氏はその理由として、「加速化するデジタル化」「モバイルシフト」「メディアの分散化」などを挙げる。現在、世界には約10億のWebサイトがある。情報過多社会では、企業の発信した情報やコンテンツをユーザーに受け取ってもらうことはもちろん、見つけてもらうことすら困難だ。さらに、アメリカでは18~34歳を中心にユーザーがアドブロック機能を使用し始めており、その浸透率は今後、世界的に高まっていくのではと嶋瀬氏は予測する。消費者が、自分に関係がない・興味がない情報を遮断し、見たい情報やコンテンツを自らの価値観を軸に選び取る時代になりつつある。これに対応するため、企業のコミュニケーションは、リターゲティング広告やポップアップ広告などをはじめとする「見せる」プッシュ型から、「見にきてもらう」プル型へと移行する必要が出てきているのだ。
また、嶋瀬氏は「オウンドメディア運用やコンテンツマーケティングの目的はPV数ではない」とし、コンテンツマーケティングは、顧客を直ちに獲得するためではなく、顧客とのエンゲージメントを高めるための手段だと強調。コンテンツマーケティングは「新たな集客チャネル」として捉えるべきではなく、ユーザーとの関係性構築をコンテンツ起点に設計していくアプローチが重要と話した。
また、これまでに支援してきたコンテンツマーケティングの実例を挙げながら、ゴールから逆算したコンテンツの企画制作、効果検証も含め一気通貫でプランニングを行うことが重要」(嶋瀬氏)であることを参加者に呼びかけた。

セミナー後半ではアウトブレインの嶋瀬氏の他、ワコールの高塚美佐恵氏とライフネット生命保険の岩田慎一氏をパネラーに迎えてのパネルディスカッションを開催。各社の取り組んでいるオウンドメディアの活用事例やコンテンツマーケティングの実施理由、コンテンツマーケティング戦略におけるPDCAなどを解説した。
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