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デジタル広告のリスクマネジメント

御社の広告、本当に見られていますか?不正課金・広告表示問題

電通 村山亮太

インプレッションのうち、実際にユーザーが閲覧できる状態にあった比率を表す「ビューアビリティ」、ディスプレイ広告における効果を水増しする「アドフラウド」。欧米を中心に議論が活発化しているこれらの問題は、「広告が実は消費者(ユーザー)に見られていないかもしれない」という、広告主にとっての新たなリスクを提示しています。

広告がユーザーに見られていない。それどころか、広告が見られる環境にさえなかったとしたら……。広告掲載ごとにお金を払っている広告主は、この問題にもっと自覚的であるべきではないでしょうか。

欧州を中心に、このViewablity(ビューアビリティ:広告掲載インプレッションのうち、実際にユーザーが閲覧できる状態にあったインプレッションの比率)の問題は、Web広告において非常に大きな関心事になっています。日本におけるプロモーションにおいても、外資系広告主はViewabilityの数値を主要KPIの一つに設定し、広告会社・媒体社などに強く要求するケースが増えてきていますが、一方で日本の広告主の多くはこの問題に大きな興味を示していません。

この理由は、Web広告の目的がほとんどアクイジション(新規顧客獲得)に限られたものであったためと言えます。Web広告は、SEMやバナー広告のリマーケティング配信のように、“いかに効率良くコンバージョンを獲得するか”を実現する手段として利用されてきました。そのため、広告がどのように表示されているか(そもそも表示されていたか)は注目されることなく、「どのくらい低単価でクリックされ、コンバージョンに至ったか」のみに力点が置かれていたと言ってもよいでしょう。獲得性を優先したため、ある程度のブランド毀損(例えば、アダルトサイトでの広告掲載)やViewablityの問題は、多分に看過されてきた歴史があり、日本においてはその文化がマーケティング市場にいまだ深く根ざしているのです。

ただ、この文化が少しずつではありますが変わりつつあり、Viewablityを含む“広告表示の質”が注目されるようになってきました。その主要因は、間違いなくWeb広告の目的の変化にあります。今までコンバージョンばかり求められてきたWeb広告に …

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