
ネット炎上の研究
● 編著/田中辰雄、山口真一
● 発行所/勁草書房
● 価格/2200円(税抜)
ブログやソーシャルメディアの浸透により、誰もが手軽に情報を発信することができるようになった現代。そこで問題視され続けてきたのが「炎上」だ。今改めてこのテーマを取り上げる理由を、著者の田中辰雄氏は「インターネットの草創期には今よりも活発な意見交換が行われていましたが、次第に罵倒が飛び交うばかりになり、実のある意見交換は消えていった。今の若い人は、『インターネットではまともな意見交換はできない』と思っているように見えます。この現状を憂えたのが執筆の動機です」と話す。
本書の注目ポイントは2つある。第一は、炎上で非難コメントを書き込む攻撃者は、実は非常に少ないことを示した点。著者らの推定では、炎上事件で書き込みをしたことのある人はネットユーザーの0.5%に過ぎず、直接相手を繰り返し攻撃する人となると一つの炎上事件で …
あと71%