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国立新美術館長 青木保

日本がメディア芸術大国になれるか否か、ここ数年が勝負の分かれ目だと言われている。国内で5番目の国立美術館として開館し、躍進を遂げる、東京の「国立新美術館」。館長・青木保さんに、文化人類学的フィールドワークの視点に立った現代アートの発展と、現在のマスメディアにおける課題など、話を聞いた。

青木 保(あおき・たもつ)さん
文化人類学者。文化庁長官(2007.4 ~ 2009.7)を経て、青山学院大学総合文化政策学研究科特任教授を務める。1965年以来、アジア諸国、欧米各国等の文化人類学や文化政策の調査研究に従事。2012年1月から国立新美術館館長に就任。サントリー学芸賞、吉野作造賞受賞、紫綬褒章を受章。

日本の美術館から“ アート” 発信 文化で生きていく国に

東京・六本木にある「国立新美術館」は、2007年1月に開館した国立美術館。イギリスの美術月刊誌「The ArtNewspaper」が2015年4月に発表したランキング調査によると、日本で最も入館者数の多い美術館の堂々第1位に選ばれ、年間約260万人が訪れる。世界でも21位に挙げられるほどの、人気施設だ。

現在、この美術館の館長を務めるのは、18代目の文化庁長官に在任した経験を持つ、文化人類学者の青木保さん。

「国立新美術館は、日本で一番新しい国立の美術館です。独立行政法人国立美術館に所属しているなかで唯一、決まったコレクション(収蔵品)を持たず、自主企画展、共催展、公募展の三種の展覧会を開催しているのが最大の特徴です」。

特筆すべくは、1万4000平方メートルもの国内最大級のスペースを使ったダイナミックな展示内容である。同美術館の英語名は、「THE NATIONAL ARTCENTER,TOKYO=ナショナルアートセンター・トウキョウ」。広い意味での“アート”を通して、人々が相互理解と共生の視点に立ち、さまざまな価値観に触れるための「アートセンター」としての役割を果たす、新しいタイプの美術館だ。

青木さんは文化庁長官時代から格別、日本のメディア芸術の進展に関心を示していたことでも知られている。ここ、国立新美術館を会場に、「文化庁メディア芸術祭」の受賞作品展を執り行っているのも、そのうちのひとつだ。19回目を迎えた昨年度の展覧会では、世界86の国と地域から、過去最多となる4417作品が一同に集結。マンガ、アニメ、Webテクノロジー的なインタラクティブコンテンツからエンターテインメント、アートまで、多様に集う12日間の一大イベントとなり、大盛況のうちに閉会した。

「いま日本で一番注目されている文化は、アニメやマンガ、ゲームなどです。この分野は、完全に日本の十八番です。それが目玉となり、外国人が日本を訪れますし、色々な面で日本の活性化の引き金になる。日本の文化発信の機関として、美術館などの公共文化施設では、これらを展覧する企画をもっと積極的に行ってもいいのでは、と思いますね」。

昨年、国立新美術館で好評を呼んだ企画展が ...

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