米国・ラスベガスのMGM Grandにて、5月9日~12日(現地時間)の期間、マーケティング専業ベンダーのMarketo(マルケト)が自社イベント「THE MARKETING NATION SUMMIT」を開催。マルケトは2014年から日本でも営業を開始している。ライフサイクルのすべてのステージで、顧客に寄り添い、エンゲージメントを深めるテクノロジー活用の最前線をレポートする。

会場の様子。マルケトのイベントは他社の同様イベントに比べ、ユーザーが中心で業種・業態別のソリューション導入事例を共有し合うことを目的にしたコンテンツ設計になっている印象を受けた。
ライフサイクルのすべてでカスタマーに寄り添う
マルケトが開催した「THE MARK ETING NATION SUMMIT」には世界からマーケターを中心に6000名を超える人が参加をした。イベントのテーマは「TOMORROW’S MARK ETER」。10日に開催されたキーノートセッションに登壇した、同社CEOのフィル・フェルナンデス氏は「当社が創業した10年前に比べてマーケターの仕事は大きく変化をしている。マーケターの役割は、社内の誰か他部門をサポートするに留まらない。今、マーケターの仕事は従来のマーケティングの枠を超えている。顧客のエクスペリエンス全体を戦略的に考え、一人ひとりの顧客と向き合い、その関係を持続、継続することが求められている。企業と顧客との接点が拡大するにつれマーケターである、あなたの考えが会社全体の考えになる時代だ。“明日のマーケター”は、戦略的に企業内のあらゆることを牽引していく立場にある」と話した。
さらにフィル・フェルナンデス氏は「今、企業には顧客中心の経営への変革が必要とされている。毎日、何十億にものぼる顧客とのインタラクションをリアルタイムに分析し、単発ではなくマルチチャネルで、顧客のライフサイクルすべてに寄り添うことが重要だ。その期待に応えるため、分析機能や予測機能を強化した新たなプラットフォームを開発中で、いま30社ほどの企業で試験的に導入してもらっている。今年の秋には公開の予定」と説明。開発プロジェクトのコードネームは「PROJECT ORION」で従来のプラットフォームのバージョンアップというレベルではなく、ベースになる技術自体が異なるものだという。秋から発売し、今年中には現在のユーザーも、新たなプラットフォームに移行して利用できるようにする予定と言う。

マルケトのCEO、フィル・フェルナンデス氏。
マーケティング投資は関係性の構築へとシフト

マルケトは、新規顧客の獲得、既知の顧客との関係強化、アドボカシーの構築と顧客のライフサイクルのすべてのステージにおけるコミュニケーションを一つのプラットフォーム上で実現できる強みを主張していた。
近年、テクノロジーの進化により、個々の顧客に適したタイミング、チャネル、デバイスで顧客の期待に応えるメッセージやコンテンツを提供するワントゥワンマーケティングを大規模、かつ同時に実行することが可能になっている。顧客と1対1のコミュニケーションを効率的に実現しうる環境の中で、従来のマスプロモーション中心ではない新しいマーケティングが始まっている。
そこでは企業の都合ではなく、顧客を中心に、社内の複数の部門にまたがる接点を統合的にマネジメントしていくことが必要とされる。現地でインタビューに答えた、マルケトのCMO、サンジェイ・ドラキア氏は …