日本では馴染みのない「冷凍パン」の可能性に着目し、高級レストラン約1000店に販路を拡大したスタイルブレッド。レストランの抱える課題に着目し、新しいマーケットを創造した。

スタイルブレッドが販売する冷凍パン。約60種類を製造、小ロット・短納期で販売する。

BtoC向けには2015年に冷凍パンとスープのセットを発売、食品宅配会社などとも連携を進めている。
全国の一流ホテルやレストランへ“焼き立て”の冷凍パンを提供しているスタイルブレッド(群馬県桐生市)。今でこそ従業員数約230名を抱え、冷凍パン専業として成長しているが、ほんの十年前はどこの町にもある、惣菜パンや菓子パンを販売する小さなパン屋さんだった。4代目である田中知氏が、研修先のアメリカで冷凍パンと出会ったことが全ての始まりだ。
生地を焼いた後に急速冷凍して使用時にオーブンで温める「焼成冷凍パン」は、添加物や保存料が不要で、小麦と水、塩といったナチュラルな素材だけでつくることができる。その美味しさに感動した田中氏は、「日本でも必ず受け入れられる」と5年かけて事業体制を整え、2006年にBtoBの冷凍パン事業を開始した。
当初は販売が伸び悩んだが …