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スマホブランディング THE 仕事人(PR)

お客さまの『好き』の気持ちをつくりたい

大塚食品 製品部 レトルト担当PM 兼 経営戦略室 レトルト戦略担当課長補佐 垣内壮平

「前例通り」が通用しないのが、変化の激しい今の時代。特に消費者のお気に入りメディアがスマホへシフトするなど、メディア接触が大きく変化する中で、マーケターは常にチャレンジが求められる厳しい仕事になっています。そんな環境にポジティブに向きあい、挑戦を続けている新時代のマーケターの方たちに、現在の課題、そして未来構想を伺います。

2013年の上半期でテレビCM出稿を止め、オンライン中心にお客さまとの直接コミュニケーションに注力してきた「ボンカレー」。この施策が功を奏し売上を伸ばしている。コンテンツ戦略を重視する「ボンカレー」にとってスマホの役割とは。

私は現在、大塚食品で約50年の歴史がある「ボンカレー」を始めとしたレトルトカテゴリのブランドを担当しています。商品開発から、生産・製造、そしてコミュニケーションまで一気通貫で見ていくことが役割です。その点でコミュニケーション領域だけを見ている宣伝部門の人とは、少し視点が違うかもしれません。

「ボンカレー」では2013年上半期にテレビCMを出稿したのを最後に、お客さまと直接、コミュニケーションをとれるオンライン中心の施策に軸足をシフトさせています。かつてはテレビCMを打てば、POSが跳ね上がりました。しかしコモディティ化が進んだ市場環境では、商品の機能を謳うことが中心の広告では立ち行かなくなっていると考えての決断です。

私はコモディティ化した市場で勝ち抜く上で、大切なのはブランド力だと考えています。そしてブランド力とは、ブランドを「好き」と思ってもらえることと捉えています。お客さまの「好き」をつくるうえでは、広告ではなくコンテンツが有効と考え、近年オンラインを中心としたコンテンツ施策に注力してきました。商品のことしか言えない広告と異なり、コンテンツはブランドに付随する、商品の機能とは直接関係のない価値やストーリーまで伝えていくことができる。そしてこの周辺価値にお客さまの「好き」をつくるきっかけが潜んでいると考えたからです。

ストックしておいて、サッと食べられるレトルトカレーの価値を感じてもらえるのは忙しい人。特に働くお母さんをターゲットに据えたコンテンツを制作してきました。

コンテンツ制作はパートナー企業の皆さんの協力を得ながら進めています。制作に際しては、まずブランド側の視点で「自分たちが、どんな風にお客さまに役立てるか、役立ちたいと思っているか」を皆さんに、それこそ“浴びせる”ようにお話しし、それを踏まえて次にそのメッセージをユーザー視点で興味を持ってもらえるようなコンテンツの形へと一緒につくっていきます。

制作段階では「当社の商品はこんなに良いんだ!」というメーカー視点のメッセージを盛り込みたくなることもあります。結果的に商品に落ちるよう設計はしていますが、その欲望が前面に出ないようグッと抑えて、まずは忙しい毎日を過ごすターゲットの皆さんに役立つ、共感いただけることを優先するようにしています。

最近は働くお母さん以外にもターゲットを広げたいと考え、antenna*で「手抜き上手は、幸せ上手!」というテーマでブランドブック(広告コンテンツを1つのテーマに沿ってまとめたもの)も展開しています。レトルトカレー、あるいは手抜きをすることをネガティブに捉えている方は多いのではないでしょうか。そこでブランドブックの提案を通じて広く、忙しい方々に生活の中でレトルトカレーをポジティブに活用してもらえれば、と考えています。パートナーにantenna*を選んだのは、商品に付随する周辺価値までユーザーにとって自然な文脈で伝えられる点が私たちの戦略に合っていると思ったからです。

単なる広告ではなくブランド視点から最適なコミュニケーションをとるため、「誰に何を伝えたいか」から発想し、これからもその時々に最適な手段を選んでいきたいと考えています。

大塚食品 製品部 レトルト担当PM 兼 経営戦略室 レトルト戦略担当課長補佐
垣内壮平氏(かきうち・そうへい)

2008年3月、大塚食品入社、カレー・ろくさん亭担当アシスタントプロダクトマネージャー(APM)。レトルト製品全般のAPMなどを経て、2012年より現職。2014年、ボンカレーブランドサイトが、「WEBグランプリ 企業グランプリ部門 プロモーションサイト賞・優秀賞」受賞。ちなみに誕生日はボンカレーと同じ2月12日。

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