主要企業の宣伝部門が考える注目媒体と予算の見込み
デジタル時代の今、広告主がカバーすべきメディアの筆頭にWeb・SNSが挙げられることは言うまでもない。とは言え、マスからデジタルへの完全転換が、俄かに実現されるわけでもないようだ。
宣伝部門の組織と実態2016
時代の変化に合わせて、宣伝部門が関わる領域は広がり続けている。こうした中、組織の規模感や就業スタイル、人的リソースの配分はどうすべきか。まずは宣伝部門のプロフィールをまとめた。
Q 部員数は?(専任・兼任それぞれ)
部門スタッフ数は、企業規模や予算全体に占める広告費の割合によっても異なるため、絶対的な適正人数はないが、現状は「3人以下」29.3%、「3~6人」24.1%といった“少数精鋭”のチームが多い。編集部の肌感覚ではあるが、兼任で宣伝業務を担当する人は減り、専任の人数が近年増えてきている印象がある。有力企業34社の宣伝部門のスタッフ数は、平均23人、最多は132人(三越伊勢丹ホールディングス)、最少は3人(ライフネット生命保険)だった。
現在の部員の平均所属年数は、「4年以上」が45.7%と最も多く、ある程度の経験を積んだスタッフが所属し、盤石の体制を築いている感もある。気になる就業時間は、週あたり「50~55時間」(35.3%)、「45~50時間」(33.6%)が最も多く、平日のみ勤務とすれば1日あたり10~11時間、9~10時間の計算となる。一般的な“帰れない宣伝部”のイメージとは相反する結果となった。
売上・利益への貢献に、デジタルやグローバルへの対応――宣伝部門がカバーすべき領域が年々広がり続ける中、限られた人的リソースを何にどれだけ配分すれば良いのか分からないという声も多い。そこで、管轄している業務を聞くとともに、各業務に対し何人の担当者をつけているかを聞いた。「宣伝広告(海外)」や「商品企画・開発」「パッケージ開発」はそもそも部門として担当していないところが多かったため「0人」の割合が高いが、「媒体選定・購入」「広告制作」「販売促進」といった宣伝部門の基本的業務と同じくらい、「コーポレートブランドの管理」や「自社コーポレートサイトの管理」「広報」といった企業ブランドに関わる領域に人数を割くケースが多いことが見てとれる。
また、「直近1年以内に、新しいコミュニケーションパートナーとの取引をスタートしたか」という問いに対しては ...