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広告業界トピックス

可視化した情報が実感しやすい場所でサイネージを活用

オリコム 吉田勝広(デジタルサイネージコンソーシアム理事)

風を感じる駅のホームで花粉情報を訴求

3月14日から1週間、ヤフーは都営大江戸線六本木駅のデジタルサイネージを使って自社サービス上で提供するコンテンツをほぼリアルタイムに放映する実証実験を行った。中でも「リアルタイム・ハクション・サイネージ」という4面のサイネージを使った展開はユニークで楽しいものだった。モデルの川口カノンさんとお笑いタレントの芋洗坂係長さんが、桜の花びらが落ちている中で踊っている映像が流れている。画面には隅田公園や六本木ヒルズなどのお花見スポットの「Yahoo!地図の桜の開花情報」も表示してある。そこに電車がホームに進入すると、あたかもその風に呼応するかのように画面の中で猛烈な風が吹いて、花びらや帽子が吹き飛び花粉が舞い、二人は大きなクシャミを連発した。その後何とも情けない顔のまま画面が止まった(写真1)。

写真1 電車が来ると花粉が舞いクシャミをするヤフーの「リアルタイム・ハクション・サイネージ」。

 

開花情報の表示も「開花より花粉が気になるあなたに。」と変わり、「Yahoo!天気・災害の花粉情報」になるという仕掛けだった。芋洗坂係長さんの映像を見ていた外国人グループたちは、くしゃみをした瞬間のオーバーアクションと表情に大爆笑となり、大ウケだった。川口さんもモデルとは思えない変顔をするその落差に笑えた。制作者によると、この二人を採用した理由は、「迫力あるくしゃみのリアクションと変顔が最高によかったから。六本木駅のサイネージは音が出ないので、映像のインパクトが重要だと思った」とのこと。その思いは届いていると言えそうだ。

電車の到着メロディの周波数パターンをセンサーで読み取り、風が吹く映像のタイミングを合わせていたそうだが ...

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