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過熱する、自治体プロモーション

PR実行「+α」の企画で勝つ!自治体PRを担う新プレイヤー

日本航空 国内路線事業部本部 国内路線事業部長 本田俊介

動画の閲覧回数が、特産物の売上や観光誘客数に直結するとは限らない。長期的なブランディング活動ももちろん重要だが、リソースに限りのある自治体にとって、一つひとつの取り組みを確実な成果に結びつけることは不可欠だ。PRのその先―食べる・飲む・買う・訪れるといった消費者の実際のアクションを促すことができる企業が、自治体PRを担い始めている。そのうちの一つ、日本航空の取り組みを取材した。

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「足」があっても人は集まらない

航空会社と自治体との間には、長年にわたって築かれてきた深い関係性がある。「航空路線があれば、交流人口は増える」という発想のもと、路線の開通や便数の増加を求める声が各地から寄せられるのである。とは言え、人口減少・少子高齢化がますます進む昨今、「飛行機を飛ばしたら、人が来る」とは言い難いのが現状だ。地域に人を呼び込む仕組みや、その取り組みの効果的な発信なくして、地方創生・地域活性化の道は拓けない。

そこで、日本航空(JAL)が2011年5月にスタートしたのが「JAPANPROJECT」。日本各地にある「風景」「伝統」「文化」「食」「人」の魅力を、JALのチャネルを使って全国、そして世界に発信していく、地域プロモーションの支援事業だ。

具体的には、毎月一つの自治体にスポットを当て、公式サイト内のプロジェクト特設ページや、機内誌「SKYWARD」、機内ビデオプログラム「JAL旅ウォーク」でその地の魅力を紹介したり、ファーストクラスの機内食に県産品を使ったり、空港ラウンジで県産品を提供したりと、JALが持つ顧客接点をフル活用して地域のプロモーションを行う。

プロジェクト発足の背景には、同社が2010年1月に経験した経営破たんがある。会社の再生にあたって自社が目指すべき方向性を見つめ直し、「社会の進歩発展に貢献する、地域のネットワークに貢献する会社」というビジョンを掲げた。国内路線事業部長の本田俊介氏は、「破たんから再生までの過程では、地方路線を含めかなりの路線数・便数を運休しました。路線を維持できず、お客さまに大きなご迷惑をおかけしたことから、自社の役割を再認識させられました。また、交流人口を増やすことは、航空機のご利用のお客さまを増やすことにつながります。地域と当社がWin-Winの関係となる『CSV(Creating Shared Value)』の取り組みと捉えて、近年ますます力を入れているところです」と話す。

情報発信に留まらず、ツアー商品やお得な割引運賃の紹介をしたり、貯めたマイルを商品に交換できるサービス「とっておきの逸品」の商品ラインアップに特産品を加えたりと、物販や観光誘客につなげる施策をプログラムに組み込むケースも多い。「情報に触れて興味を持った人が、その地を実際に訪れたり、旅行先で気になった商品を後日購入したりと、カスタマージャーニーを意識して、プロジェクトのメニューを設計しています。現状、こうした地域の“実利”につながる取り組みは、すべての自治体との間で実現できているわけではないので、今後拡大していきたいと考えています」。

プロジェクトは、第1回の宮崎県を皮切りに、これまでに延べ57自治体(32都道府県4都市)との間で実現させてきた。路線の運航があるところが中心だが ...

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