地方創生でPR合戦も活況に 背景にある狙いと組織改革、そして課題とは?
国を挙げた取り組みが進んでいる地方創生。観光誘客、移住促進、企業誘致と、アプローチの仕方は各自治体によって異なるが、いずれの場合もカギとなるのが、各地の魅力を効果的に発信する広報・PR活動。その取り組みに各自治体が本腰を入れ始めている。いま日本を席巻している、空前の“PRアイデア合戦”の背景に迫る。
過熱する、自治体プロモーション
歩んできた歴史も地域性も異なる47都道府県が、あの手この手で地元の魅力や特徴をアピールしている昨今。ここではBtoCの広報・PR活動に限定し、各自治体の直近の事例を概観する。
全国自治体が2015年度下半期に展開したPR・プロモーション施策(以前より長期的に展開している施策、今後も継続する施策も含む)について、編集部でアンケートを実施。計21府県から回答を得た。回答項目は「施策の狙い」「具体的な実施内容」「パートナー企業名(広告会社、デザイン・制作会社、コンサルティング会社など)」「得られた成果(定量・定性両面から)」。
ネット上に立ち上げた「GNN GNMA News Network」を通て、女子留学生でYouTuberのリタが、留学先の群馬県を紹介するというストーリー。
群馬県のイメージアップおよび県民の郷土に対する愛着の醸成を図るとともに、群馬県に興味を持つ人や、来訪者・移住者を増加させるため、映像による効果的なプロモーションを実施する。
<全体構成>
全体の予告編となる30秒のCM、4つの素材(世界遺産「富岡製糸場」、すき焼き、おっきりこみ、温泉)をテーマとした、各75秒のCMおよび各5~7分ほどのショートフィルムで構成される。
<ストーリー>
女子留学生でYouTuberでもある「リタ」が、留学先の群馬県を紹介しようと、Webサイト上に「GNNGUNMA News Network」(ぐんまニュースネットワーク)を立ち上げる。県内各地を取材する中で、その都度、力強くしっかり働く女性が現れ、「リタ」は群馬のさまざまな魅力を通して、「働き者でしっかりした女性」という「かかあ天下」の本当の意味を理解していく。
<映像のポイント>
監督として起用した、群馬県を拠点に数多くの町おこし映画などを手がける藤橋誠氏をはじめ、音楽監督、アートディレクターなどのスタッフから出演者に至るまで全関係者が群馬人で構成されているところ。また、主演の外国人留学生「リタ」役には、カンドゥ・クリスティーナ(26歳)さんが、県内に住む外国人女性の中からオーディションで選ばれた。BGMには、昨年創立70周年を迎えた …