厳しい競争環境にマーケティングが求められている
少子高齢化や人口減少を背景に、あらゆる市場の規模が縮小傾向にある中、「未来の市場を創り、真の価値ある商品やサービスを提供して成長の仕組みをつくる」マーケティングが、ますます重視されるようになった。あらゆる企業が、マーケティングを経営の中核に据え、お客さまにとっての価値を基点とした事業モデルへの転換を余儀なくされている。
2月3日に初開催したMarketing Dayは、「マーケティングの未来を考える」ことをコンセプトに据えたイベント。特に高い注目を集めたのは、マーケティング先進企業3社のキーマンがそれぞれ登壇したセミナーだ。商品・サービスのコモディティ化からの脱却、差別化するためのアイデア、共感を生む工夫、多様化するメディアにおけるクリエイティブ―これからのマーケティングに必要なことは何か、改めて見つめなおす場となった。
カルビー:広い視野で商品価値を定義する
カルビーの考える、新しい価値観を提案するコミュニケーション戦略
カルビー ストラテジックブランディング部 部長 山村 眞 氏
マーケティング本部の山村 眞氏は、「商品を売るためには、既存のマーケットだけを見ていてはいけない」と話し、視野を広げて商品の新しい価値を生み出す必要があると強調した。事例として挙げられたのは、同社が米国で展開する、えんどう豆のスナック「Harvest Snaps」のマーケティング。大容量かつ安価が前提の米国スナック市場で、原価の高い商品をいかに売るか―導き出した答えは「スナックではない価値で売る」だった。野菜売り場やデリに陳列し …
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