サイカの社内にて撮影。営業、マーケティング、プロダクト開発部門の他、統計分析の手法を研究するR&D機能も備える。さらにBtoB企業ながら、会社のファンづくりを重視。コミュニティリレーションに特化した部門を設置している点に特徴がある。
客観的なデータを企業の意思決定に活用する
企業と消費者の接点にデジタルが浸透し、多様なデータが収集・蓄積できるようになっている。一方で専門人材がいないため、データはあっても活用できないという課題を抱える企業も増えている。2012年2月、創業のサイカは、「すべてのデータに示唆を届ける」のミッションを掲げ、データを集めたその先。具体的なアクションにつなげるためのソリューションを提供する。
同社のデータに着眼した事業モデルは創業者の平尾喜昭氏の子供の頃の経験が影響している。「僕が中学1年生の時、父親が務めていた会社が倒産してしまった。日本を代表する小売企業だったが、父が倒産を知ったのは発表の半日前。世の中には自分ではコントロールできない。どうしようもない悲しみがあるのだと痛感した」。
その後、慶応義塾大学に入学し、竹中平蔵教授の経済政策のゼミを専攻した平尾氏。そこで、統計分析に出合うことになる。「竹中ゼミでは、学生自らが経済政策を立案する実習があったが、単なる思い付きではなく、実際にその政策を実施した時の試算も考えて提示しなければいけなかった。その試算の技術として統計分析の指導を受けることになった」。
この、統計分析との出合いが父親の会社の倒産という、過去の悲劇と結びつく。「当時、父の務めていた会社は昭和を代表するカリスマ経営者が率いていた。結局はカリスマの勘と経験のみに頼っていたことが、悪かったのではないか。もし、当時の父の会社に、客観的に状況判断できるデータがあったのなら、カリスマ経営者の勘と経験は正しくフル活用され、結果は変わっていたのではないか。そんなふうに考えるようになった」。
仮説がなければ分析結果は活用できない
広告プロモーション領域のデータを基にしたコンサルテーションから事業をスタートさせたサイカ。しかし、企業に対するコンサルティングを行う中で …