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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

自走する!Webコンテンツのライティング術

しらべぇ編集長 タカハシマコト

    Webコンテンツの文章術、ここがポイント!

  • 「今、ユーザーが何を話題にしているか」「情報発信のタイミングで話題となっていることは何か」を常に把握し、予測しておくこと。
  • それぞれの商材やビジネスに合わせて、最もふさわしい表記の仕方を探る。
  • コンテンツのネタに困ったときは、ネタ出しは「かけ算」で発想する。

「2つのリアル」を意識する

今、人が書く文章のほとんどは、「Webで公開される」と言っていいのではないだろうか。

言葉が載るメディアは、主に「電波(テレビ・ラジオ)」、「紙(新聞・雑誌・書籍・書類)」、「Web」に分けられる。Webでの情報発信が一般的になる前、発信できるのは、紙や電波を握るごく一部の人に限られ、「紙面や秒数が限られる」といった制約の中での伝わるルールや作法があった。

今や、合法・違法なものを含めて多くのテレビ番組やCM映像が動画サイトにアップされ、新聞・雑誌発の情報もネットニュースの主要なコンテンツとなっている。むしろ、電波や紙が初出の情報も「Webでの拡散」を意識して設計されるものが少なくない。これらに、ソーシャルメディアやオウンドメディア、メールマガジンなどWebの読者を想定した情報を合わせれば、「ほとんどの情報発信はWebで受け、シェアされて自走する」ことを意識すべき、ということになる。では、Webで自走する情報には、かつての紙や電波にあったのとは異なる作法やコツがあるのだろうか。大切なのは「2つのリアル」である。

(1)「リアルタイム」

Twitterには人気のハッシュタグが「トレンド」として表示されているが、ここにランクインするのは、「#クリスマス」「#お正月」「#バレンタインデー」といった季節ネタ、「#箱根駅伝」「#甲子園」といったスポーツネタ、そして放送中のテレビ番組やそれにまつわる芸能人の名前が多い。増加しつつあるニュースサイトやバイラルメディアも、すぐにそのトレンドを取り上げるか、先回りして配信しておき、注目を稼ごうと狙っている。

企業が発信する情報であっても、Webは紙や電波と違って、即時的に配信・反応することが可能だ。拙著『ツッコミュニケーション~生活者を相方にするボケとツッコミの広告術』でもご紹介したが、2013年に米国でスーパーボウルの試合中に停電が起きた際、「オレオ」のツイッターアカウントが即座に反応したツイートは出色である。

これはソーシャルメディアという特性上、5分10分で判断することが求められたが、オウンドメディアやメルマガでは、そこまで文字通りリアルタイムでなくともよい。ただし、「今、ユーザーが何を話題にしているか」「情報発信のタイミングで話題となっていることは何か」を常に把握し、予測しておくことは極めて重要と言える。

(2)広告臭さを排除し、リアルな人間味と内実を見せる

ステルスマーケティングの略語「ステマ」は、その本来の意味を超えてユーザーに浸透している。きちんと提供クレジットを入れている情報やタイアップ記事であっても、企業発の情報と分かると「ああ、ステマか」といったリアクションも時おり見られる。独自取材で企業を取り上げても、「ステマ乙(おつかれさまの意)」などと書き込まれることも。

一方で、ひとつの企業や商品を取り上げたニュースが好意的に受け止められ、爆発的に拡散する場合もある。事例ごとにさまざまな可変要素があるが、「従来の広告的なつくられた世界観」で発信しようとするか、「ユーザーのリアルに合わせて、つくり手や発信者の存在を感じる情報」として発信するか、その姿勢の違いが大きいのではないだろうか。

例えば、ポテトチップスを例に取ろう。ジャンル名としては「ポテトチップス」が正確だからといって、それを執拗に繰り返せば読者は違和感を覚える可能性がある。生活者はふだん「ポテチ」と呼ぶことが多いからだ。「商品名(など)は大切だから正式に表記すべき」という広告世界のルールは、ときにユーザーのリアルと反する。読者と距離を縮めるためにはどう書くべきか、それぞれの商材やビジネスに合わせて、もっともふさわしい表記の仕方を探るべきだ。紙と電波のみの時代に定めたルールを深く検討することもなくWebにも適用しようとするのは、責任放棄といっても過言ではない。

一方で、企業にはユーザーが知らない、「商品やブランドにまつわるさまざまなリアル」があるはずだ。開発ストーリー、つくり手の生声、販売データ、失敗談、過去の歴史など。こうした情報は、企業が公開したり取材に答えるまでWeb上に存在しない。企業が持つ膨大な情報を一つひとつ洗い出し、人間味をこめて伝えれば、ファンを含めた多くのユーザーが関心を持つ可能性がある。

読者は「スマホ」からやってくる

オウンドメディアを含めてすでにメディアを運営している方にとっては当たり前かもしれないが、今やWebへのアクセスの大半はPCではなくスマートフォン経由となっている。筆者が編集長を務めるニュースサイト『しらべぇ』では、読者の8割からときに9割がスマホユーザーだ。スマホ普及以前から運営しているメディアやサイトの場合、もう少しPC率が高くなる可能性もあるが、もし圧倒的にスマホ率が低いとしたら、チャンスロスである。どこかに問題があると考えたほうがいいかもしれない。

自社が配信するコンテンツが、「スマホで読みやすいかどうか」を一度検証してみよう。例えば ...

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