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デジタル時代の新ブランド戦略

“消費者インサイト至上主義”で低消費時代でも支持される/ティファニー

ティファニー

「エンゲージメント リング ファインダー」。商品検索、バーチャル試着、お気に入りアイテムの保存・共有、店舗でのブライダル・アポイントメント予約と、ブランド体験の質をデジタルの力で高めている。

ラグジュアリーブランドは“憧れ”だけでは売れない

1837年に米国で創設され、全世界20カ国にショップを展開するジュエリーブランドのティファニー。ダイヤモンドを6本の爪で支えるエンゲージメントリングの定番スタイルは「ティファニー セッティング」と呼ばれ、130年前にティファニーが最初に考案したものだ。

長年にわたって世界中の女性の憧れの存在として君臨し続けてきたティファニーだが、そのブランドコミュニケーションは、その時代の消費者の実態に即した戦略をとることを強く意識している。「本社主導のグローバル調査に加え、各ローカルでも定期的な消費者調査を行うことでリアルな消費者像を分析・把握し、コンシューマーインサイトを起点とした戦略の策定と、施策の企画・実行を心がけています。元来、ティファニーのターゲット層は幅広い。加えて、それぞれのターゲット層の消費行動やブランド接触行動が時代によって変化するため、消費者を正確に理解し、フォーカスすべきポイントを変える必要があるのです」とティファニーの担当者は話す。

消費者は近年、多様な選択肢の中から、自分にフィットするライフスタイルや消費を自由に選び取るようになった。こうした中、ラグジュアリーブランドに求める価値も、従来のそれとは大きく変わってきているという。具体的には、「ステータスシンボルとして所有する」という価値が薄れ、自分が共鳴する・共感できる信念やスタイルを持つブランドの価値を重視するようになった。「画一的なブランド選択ではなく、好きなブランドを自分のテイストに合わせて組み合わせる“Mix&Match”という行動形態が生まれてきていると捉えています」。

また消費者の情報接触行動については、デジタルデバイス、特にモバイルの普及に注目。消費行動においてリアルタイムな「比較」と「共有」が可能になり、ブランドから提供される商品・コミュニケーションを一方的に受け取るのではなく、選択肢を積極的に比較・吟味して、自分に合うものを見つけようとする姿勢が強くなっていると話す。

ティファニーは、こうした消費者の変化を踏まえ …

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