広告界では例年、「今年は、〇〇元年になる」といった個別手法を取り上げた潮流予測の声が聞かれます。マーケティング課題が複雑化した今、明確なトレンドはなかなか予測しづらいですが、特集を通じ、ある3つの兆しが見えてきました。
マーケティングの本質をテクノロジーの力で実現する
消費者と接点をつくる手段に時代による盛衰やトレンドはあっても、2015年も引き続き、消費者のデジタルシフトが進んだ時代。マーケティングの在り方を、あらゆる企業が模索した年だったと言えるのではないでしょうか。
2016年もデジタルシフトを目指す動きは続いていくと思いますが、ややもするとテクノロジー偏重になりがちだった近年の状況から変わり、消費者とのコミュニケーションの原点に立ち返って、「マーケティングの本質を実現するためのテクノロジー活用」へと意識が変わろうとする兆しを感じます。
今回の特集を通じて見えてきた兆しの一つは、科学の力を駆使し「人の感情を可視化」できないか、という議論。コモディティ時代において、ブランドへの共感を改めて重視する企業が増えています。こうしたブランドに対する共感、あるいはメディア企業であればコンテンツに対する熱中度など、表面的な数値データだけでは測れない人の気持ちをいかに可視化し、マーケティングの施策や、メディアの価値検証に生かしていけるかに関心が集まっています。またこの領域で新しいテクノロジーが登場してくる機運があります。
もう一つの兆しが...