企業のマーケティング・コミュニケーションに活用できるWebサービス・プラットフォームのうち、2016年に注目・活用すべきものとは? ポスト・Facebook、ポスト・Twitterのようなサービスは、果たして現れるのか?

2016年、面白そうなサービスが多々あるが、個人的に注目している2つのサービスをピックアップしてご紹介したい。
共生型投資プラットフォーム
近年、クリエイティブで地方を活性化させるという名目で、自治体レベルの表現領域において、多くの素晴らしいキャンペーンが生まれている。それを“空中戦”とするなら私が現在、注目しているサービスは“地上戦”に近い部分かもしれない。2015年にスタートした、都心にいながら地方の生産物のオーナーになり、投資額に応じたインセンティブが支給される「OWNERS」というサービスプラットフォームが秀逸で、2016年にはさらに活用範囲が広がると考えている。まずサイトに登録し、次に期間限定のオーナーになる生産物を選択し、サービスを享受するという、いたってシンプルなサービス。しかしながら、定番の「お取り寄せ」と違うのは、「オーナー制度」という概念を導入していることにある。ここで言うオーナー制度とは、ユーザーが、登録期間中「オーナー」として収穫物や商品、サービスプログラムを受け取れる仕組みである。
「IKEA Effect」という現象があるように、ユーザーは自身が参加した事象に対して、少なからず金銭的価値と満足度が上がる傾向にあり、オーナーシップ制度は、都心ユーザーのニーズを通常の通販よりも満足度の高い形で充足する。一方で、遠方のユーザーの認知獲得や、クリエイティブ、キュレーションのスキルをそもそも必要としてこなかった地方の事業主のニーズに対しても、売上以外の部分で価値を付加しており、両者の相互利益に結びつけた功績は大きい。
「OWNERS」に代表されるような ...