企業のマーケティング・コミュニケーションに活用できるWebサービス・プラットフォームのうち、2016年に注目・活用すべきものとは? ポスト・Facebook、ポスト・Twitterのようなサービスは、果たして現れるのか?
「商用人工知能」―この言葉を有名にしたのは、IBMのWatson(ワトソン)であろう。クイズに登場して優勝したり、既成概念を破壊するレシピをつくったりして、人工知能という少し昔のSF的な響きを、実生活に近づける役割を果たした。これ以外にも、2016年はさまざまな人工知能APIが本格的にサービスインし、マーケティングや広告で使われるようになっていくであろう。
その中で、2015年12月に一般公開された音楽サービス「Jukedeck」に注目したい。このサービスは簡単な操作で著作権フリーの楽曲を人工知能を用いてつくれるサービスである。本当に簡単で、3つのステップで完成してしまう。最初に“FOLK” “ROCK”“ELECTRONIC” “AMBIENT”の4つのカテゴリーからジャンルを選び、次に“UPLIFTING” “DARK” “ANGRY”の中からムードを選択し、最後に曲の長さを決めるだけ。これだけの作業で、5秒から最長5分の曲までつくれるので、Vineで流す6秒クリップから、ちょっとしたYouTube用の動画まで、素人でも簡単に楽曲をつくることができる。音楽を知らなくても、センスがなくても、何も考えずにつくれるのは、人工知能の力と簡易なUIによるところが大きい。
過去にも自動作曲をうたうサービスでは「Band in a Box」などがあった。しかし、それらは素人が使うには機能が多く、やや複雑であった。逆に言うと ...