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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

運用型デジタルコンテンツのパートナーの選び方

資生堂 小助川雅人

    制作パートナーとの付き合い方、ここがポイント!

  • 制作の課題と目的を明確にする
  • 制作会社の力を最大限引き出すために、期待しているポイントをディスカッションで明確に伝える
  • クリエイターに対するリスペクトを忘れない

小助川氏が手がけた「High School Girl? メーク女子高生のヒミツ」。特設サイトでは、Web動画、メイキング動画のほか、「生徒 & 先生の素顔」というページでは、女子高生の写真をこすると実際の姿である男子高生に変身する仕掛けも。
http://www.shiseido.co.jp/highschoolgirl/index.html

デジタルコンテンツ制作上の判断基準とは

僕は資生堂の宣伝・デザイン部に属し、クリエイティブディレクターとして広告のクリエイティブを総合的に手がけています。最近の仕事では「High School Girl? メーク女子高生のヒミツ」というWeb動画を制作しました。動画は高校の教室にいる美人女子高生たちの正体が、実はメークした男子高校生だったという内容なのですが、10月に公開したところ再生回数が830万回(12月時点)を超えました。

この動画に限らず、当社では今、全社的にデジタルを活用したコミュニケーションを強化しようとしているので、今回のようなデジタルコンテンツを制作するケースは増えてきています。

制作会社を選ぶときの判断基準は、ブランドやサービスの目的にふさわしいソリューションを提供してくれるパートナーかどうかです。デジタルコンテンツと一口に言っても多様なバリエーションがありますし、制作会社も自分たちの得意領域を持っているものだからです。この基準を軸に据え、さらに「人的リソース」「企画性」「取材力」「機動力」「コストパフォーマンス」、それと「センス」などを加えて、総合的にケースに合った会社を選んでいます。コンペがある場合はこちらが提示した目的に対しての「提案力」も重要です。

どういうポイントでパートナーを選び、進めているのかについては2つの事例をなぞりながら紹介したいと思います。

事例1
「HAKU」サイトリニューアル

■HAKU
リニューアル後の「HAKU」Webサイト。
http://www.shiseido.co.jp/haku/index.html

一つ目は、2015年3月に実施した美白系商品ブランド、「HAKU」のWebサイトリニューアルの話です。制作は、HAKUのテレビCMを制作していただいていたことから、テレビとWebのワンパッケージで一緒につくれることが大きなポイントとなり、長年付き合いのあるビービーメディアにお願いしました。

制作を進めていくにあたり、まずはリニューアル前のサイトの課題と前提条件の洗い出しを行いました。リニューアル時の一番の課題は、スマホ専用サイトがなかったということ。PCよりもスマホ利用者の割合が増えていることもあったので、まずは「スマホファースト」の視点で設計する方向性を定めました。それと、前提として「ブランドの気分を損なわない」ということの確認と、ユーザーは何らかの目的や疑問を持ってサイトに訪れているはずなので、そうしたニーズにスピーディーかつ分かりやすく対応することを徹底したいと話しました。

HAKUの場合は特に高価格帯の商品ということもあり、CMを見ただけですぐに購入してもらうのが難しいブランドです。実際、ブランドサイトへの流入経路を見てみても、ユーザーは@cosmeのような口コミや評価情報を見て、さらにもっと詳しい情報を知りたい場合、ブランドサイトに立ち寄るということが分かっていました。ですからコミュニケーションを組み立てる段階で、CMはとにかく気にかけてもらうこと、Webは理解・納得してもらうこと、というようにそれぞれの役割を明確にしました。各メディアの役割をはっきりと分けたことで、その後のプロジェクトの進行もスムーズかつ効率的に進められたように思います。

それとビービーメディアにお願いする上でもう一つ大きなポイントとなったのが、“感覚的な意識が共有できる”ということでした。資生堂の場合は、ブランドイメージを損なわないためにも、お付き合いするCM制作会社の数を絞っています。加えて広告会社を通さない仕事も多いので、制作会社の人たちと直接コミュニケーションを取る特殊な文化が …

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