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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

マス広告を中心とした制作パートナーとの向き合い方

パナソニック 高須泰行

    制作パートナーとの付き合い方、ここがポイント!

  • ブランドの趣旨や目指す姿を共有する
  • 「なぜつくるのか」と「どうやってつくるのか」の線引きを決めておく
  • 依頼時にはスタッフ全員が共有できるゴールを設定する

企業の宣伝部の役割といま求められること

図表1 広告コンテンツの制作スタッフ

パナソニックにはコミュニケーション部という、宣伝・広報・Web・店頭販促部門が統合された組織があり、そこがお客さまと接するすべてのシーンのコミュニケーションをトータルに手がけています。僕はその中で、CMをはじめとするマス広告の制作を主に担当していますが、実際には制作だけでなくWebやイベント、店頭周りまで広範囲に見渡せる環境にいます。

パナソニックはもともと宣伝が好きな会社。創業者である松下幸之助も宣伝を大事にしていて、自らネーミングやコピー、アイデアを出していたりしていました。そうした流れもあってか、宣伝に力を入れています。宣伝職能のプロスキル人材育成には、費用も時間もかかりますし、組織によっては宣伝部の社内ポジションが変動的なこともあり、当社のような宣伝部門を持つ会社は多くないかもしれませんね。また、販売している家庭電化製品が耐久消費財のため、一度買ってもらうと数年は買い替えがなく購入スパンが長い。そのため、企業として長期的なブランディグが必要だというのも宣伝部が充実している理由かもしれません。

制作会社に関しても、ブランドの趣旨や目指す姿を共有して、パートナーとして組んでいける会社と深く付き合うことが大事だと思っています。ブランド視点が長期的か短期的かによっても制作会社の選び方は変わると思います。それは良し悪しではなく、向き不向きがあると考えているからで、その判断は非常に難しいことだと思います。

前置きが長くなりましたが、宣伝部の役割は、社内の色々な事業部とつながって、まずは「広告物を“なぜ”つくるのか」、そもそも「つくるのか、つくらないのか」を検討するところから始まります。「“ 何を”つくるのか」も無論考えますが、そこから「“どう”つくるのか」は、プロである制作会社がいるので、まずは“なぜ”と“どう”の部分を線引きすることを意識しています。“なぜ”“何を”の部分は、責任を持って社内で話し合い、把握をする。どうつくるかは、本当のプロに任せるところは任せる。始めにここをきちんと分けておくことがポイントです。

メーカーの宣伝部に所属する身としては、最近「メディアを超えた視点」をより強く求められるようになったと感じています。僕は20年近く宣伝畑にいますが、入社した頃はテレビやラジオといったマス広告が中心の時代で、消費者は広告を通して企業やブランドを見ていました。その後2000年頃からキャンペーン発想が生まれるようになり、クロスメディア、インテグレートキャンペーンと呼ばれるメディア統合の動きが出てきて、消費者と色々なメディアで接点を持てるように。今ではSNSや口コミを見て、消費者が企業を判断する時代になっていますよね。加えてブランドを選ぶ際に、企業の思想やCSR活動などの背景を重視するようになっている傾向もあります。

宣伝だけでできることが少なくなっているので、宣伝部の仕事の役割も対外的な見せ方を整えるのではなく、メディアを超えた視点で、ブランドを輝かせるための活動を行う方向に変わっていかなければと考えています。そうなると、制作会社はグラフィックならグラフィック、映像なら映像といったように、今でもそれぞれの専門家であることが多いので、企業側は俯瞰的な目線を持つことを意識するべきだと思います。

図表2 企業の宣伝部の役割

メディアごとに違う!パートナーを選ぶ上でのポイントは?

制作会社を選ぶ上でのポイントは、媒体によって変わってきます。クリエイティブ視点で僕の考えを話せば、グラフィック広告制作においては、コピー力を持っている制作会社やクリエイターの方とチームを組みたいです。それは消費者に見せるということはもちろんのこと、その前段階の社内で企画を通していくときにも、言語化することが大事だと考えているから。個人的に感じていることですが、年々コピーライターが不足しているように思います。いいコピーライターを探して組むことができれば、グラフィック広告の質を高めることができると思いますね。

映像制作で言えば、これまでCM制作とWeb動画制作には隔たりのようなものがあったと思うのですが …

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