「今までに見たことのない傘をつくりたい」と、全くのゼロから洋傘の製造販売に乗り出したシューズセレクション。常識を覆す価格、販売方法、機能で国内トップシェアに登り詰めた。創業者の経営戦略に迫った。


機能性を高めた傘だけでなく、濡れると絵柄が浮き上がる傘、広げるとバラの香りがする傘など、ユニークな商品も多い。東京・自由が丘に2014年にオープンした旗艦店「CoolMagic SHU'S」(写真左)は、4階建の建物に約1万本の傘を揃える。
日本で1年間に流通する傘は、人口とほぼ同じ1億2000万本と言われる。ここでトップシェアに立つのがシューズセレクション。「waterfront(ウォーターフロント)」のブランドで多くの人に知られている。
代表の林秀信氏が洋傘の製造販売に乗り出したのは1986年、40歳のとき。「当時、傘といえば黒と紺が主流で形にも個性がなく、満足できるものがなかった。市場性云々よりも、自分が欲しい傘をつくろうと思ったのです」。当初は他社へのOEM供給も手がけていたが、林氏は「最後発からスタートしたのだから、ほかのメーカーと同じことをしても仕方がない」と、自らのアイデアを活かした傘の開発に力を入れた。
全国に広く名を知られる存在になったのが …
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