リアル空間の解析も視野に
顧客を知ることから、マーケティングは始まる。しかしながら企業の規模が大きくなるほど、各部門が個別最適に動き、自分たちの部門の役割を果たすことに終始してしまいがちだ。すべての部門が共通して顧客を知り、向き合うことを支援できないか。ベンチャー時代に入社し、退職時には大企業になっていた楽天での経験での気づきもあり、伊藤将雄氏は2007年ユーザーローカルを設立。ビッグデータ解析による、顧客理解の支援を続けてきた。
伊藤氏は大学時代に「みんなの就職活動日記」を開発し、卒業後は日経BP社での記者職、楽天でのエンジニア・プロデューサー職を経験した。その後、早稲田大学大学院に入学し、Web上のユーザー行動解析や大規模データの分析、レコメンデーションエンジンの研究に取り組み、この研究成果をもとに早稲田大学内の産学インキュベーションセンター内で製品化をし、ユーザーローカルで提供を開始した。
最初に販売した製品はヒートマップ対応Web解析ツールの「User Insight」。ユーザーのマウスの動きやタップの動きを個別に再生できるなど独自の機能が多数搭載された解析ツールで現在、約700サイトに導入されている。「当時は …
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