11月19日、ANAインターコンチネンタルホテル東京で「宣伝会議サミット」が開催された。会場には開場前から長い列が続き、同イベント過去最高となる3394人が来場。企業のマーケティング責任者や担当者による全42のセッションはいずれもほぼ満席となり、最新のマーケティングツールの展示が行われたブーポートスも多くの人で賑わいを見せ、終日盛況のうちに幕を閉じた。
今年のテーマは「ブランディングから始まる、これからのマーケティング~個人、部門、そして企業としての『VISION・MISSION』を考える~」。マーケティングの概念が浸透し、その実行を支援するテクノロジーも進化している今、あえて戦略の前にある「ブランドとしての意志」、「ブランディング戦略」にフォーカスを当て、これからのブランド、マーケティングについて議論を交える場となった。

トヨタマーケティングジャパン 取締役 土橋 代幸氏

味の素 広告部 GEP(GROUP EXECUTIVE PROFESSIONAL) クリエイティブ統括部長 名久井 貴詞氏
企業の存在意義を打ち出すマーケティングも重要
土橋 当社の現在の最も大きな課題は「クルマ離れ」です。クルマメーカーである以上、この流れを何とか食い止めるべく、あらゆる取り組みを行っています。最近は、若者を対象とする調査でも、自動車が単なる移動する手段としての乗り物としか捉えられておらず、非常に厳しい状況です。
名久井 当社の場合、まず国内事情として、人口減少や高齢化、健康志向の高まりなどがあります。人口が減って高齢化が進めば、全体として食べ物の消費量も減ります。また ...