「あの会社のあの広告、いいよね」「去年話題になった◯◯みたいなイメージがいいな」─広告・キャンペーンの企画制作の現場では、海外の大ヒット広告の話題が出ることもしばしば。知らないと、話についていけなくなってしまうかも…。ここでは、8つの主要な国際広告賞で高い評価を受けた事例を押さえる。
2015年に開催された、8つの主要な国際広告賞(カンヌライオンズ、ワンショー、ニューヨークフェスティバル、クリオ、NY ADC、アドフェスト、スパイクスアジア、D&AD)で、「グランプリ」「最高賞(部門別を含む)」、およびそれに相当する賞を受賞した回数をスコア化した。
P&G Always「#LikeAGirl」
最も消費者とエンゲージしたスーパーボウル広告
Leo Burnett Toronto /カナダ/テレビCM
受賞した賞 ›› カンヌライオンズ PR部門グランプリ、ニューヨークフェスティバル ブランデッドエンタテインメント部門Grand Prizeなど

生理用品ブランド「Always」が2014年6月に公開したWeb動画。動画の中では、まず少年や若い男女に、走る・投げる・殴るといったアクションを“女の子らしく”行うよう指示が与えられる。誰もが、ヘアスタイルを気にしながらナヨナヨ走ったり、ヘロヘロ弱々しく投げたりと、どこか“女の子”をバカにしたような動きをする。しかし、次にティーンエイジャーの女の子たちに同じ指示を与えると、彼女たちは全力で走り、力一杯投げる。
思春期の少女たちが社会一般における「女の子らしく(like a girl)」という固定概念に捉われ、自身の可能性を狭められることがないように。また、あらゆる性別・年齢の人々が、社会通念に捉われて「自分らしく」生きることの素晴らしさを見失わないように。その言葉が指す本来の意味を見つめ直そう、と呼びかけた。
発売から30年にわたって女性のエンパワメントを推進してきた同ブランドからのメッセージを発信するこの動画は、視聴率49.7%と史上最高記録を更新した、スーパーボウル2015のテレビ中継のCMとしても放映された。調査会社のiSpot.tvが発表した、視聴者とより深くエンゲージできたCMをランキング化した「Top 10 Super Bowl Ads on Game Day by Digital Activity」では、見事1位を獲得している。2015年7月に続編「Unstoppable」が公開されているので、こちらも要注目。また、ライオンズヘルス2015のヘルス&ウェルネス部門グランプリに選ばれた、メキシコにおける子宮頸がん啓発プロジェクト「Intimate Words」にも注目しておきたい。
Healthcare.gov「Between Two Ferns with Zach Galifianakis: President Barack Obama」
オバマ大統領、コメディ番組に出演
Funny Or Die /アメリカ/オンライン番組
受賞した賞 ›› ワンショー Best of Show(最高賞)、クリオ ブランデッドエンタテインメント部門 GRAND CLIOなど

政府が推進する医療保険制度改革「オバマケア」のプロモーションを目的に、2014年3月に公開されたオンライン番組。無料のコメディサイト「Funny or Die」の中のトーク番組『Between Two Ferns』に、オバマ大統領が出演した。
番組は、映画『ハングオーバー』シリーズなどで知られる俳優ザック・ガリフィナーキが ...