女性向けのキュレーションメディアとしてユーザーを増やしている「4meee!(フォーミー)」「4yuuu!(フォーユー)」。メディアを運営するロケットベンチャーの植木則博氏に、メディアコンテンツ制作の裏側について話を聞いた。
ロケットベンチャー 広告事業部長 植木則博氏
ターゲットの心に響くリアルなコンテンツを生む秘訣
女性向けキュレーションメディア「4meee!」「4yuuu!」を運営するロケットベンチャー。2015年2月より、ショッピングサイト「BUYMA(バイマ)」を運営するエニグモ社のグループに加わり、ファッションメディア「STYLE HAUS(スタイルハウス)」のメディア運営も預かるなど、その勢いを増している。
「4meee!」では、流行に敏感な20~30代女性を中心に、ファッション、コスメ、グルメ、恋愛、旅行といったコンテンツを提供。一方の「4yuuu!」は、感度の高いライフスタイルを楽しむ主婦・ママ向けのメディアとして2015年2月に公開され、ファッション・美容情報のほか子育てやレシピに関する記事も多く配信する。現在、両サイト合算で月間訪問者数1000万人、月間PV数は1億4000万を超え、多くのユーザーを抱えるキュレーションメディアとしてポジションを確立している。
両メディアの特徴は、タレントやモデル、有名読者モデル、カリスマブロガー、インスタグラマーなど、ターゲット層に対して絶大な影響力を持つ多くのインフルエンサーたち自身がキュレーターとして情報を発信している点だ。タイアップ記事においても人気モデル起用が可能で、引きが強くかつ説得力のあるコンテンツになるとクライアントからの評価も高いという。
「4meee!」「4yuuu!」のメディア特性
リアルなインサイト分析とデータ検証で効果を追求
ロケットベンチャーの記事制作について、広告事業部 部長の植木則博氏は次のように話す。「『4meee!』や『4yuuu!』には、毎日300人以上のキュレーター陣がオリジナル文章で執筆した、バリエーション豊富でリアルなコンテンツが集まります。タイアップ記事は、そんな面白い記事たちの中でも読みたいと思ってもらえるよう、記事のクオリティに徹底的にこだわります。読者は、広告であるかどうかよりも面白いかどうかで記事を読むか読まないか直感的に判断しているので、一瞬でパッと読者を引き込む企画立案や記事制作を心がけています」。
女性に読んでもらうコンテンツをつくるために重要なことは、「共感」と「憧れ」の演出だと言う。ユーザーが内容を想像しやすく「自分でもできそう」「やってみたい」と思わせるものにするため、文章のみならず写真にもこだわり、撮影のディレクションも同社で行う。また文中の言葉も、コーディネートは“コーデ”、カラーコンタクトは“カラコン”といった風に女性たちがリアルに使っている言葉を意識したり、商材に対するターゲットの見解をリサーチしたうえでニュアンスを微調整するなど、細部にまでこだわる。
「整った文章を書けるだけでは、ユーザーを引き込む記事コンテンツはつくれません。ちょっとした言葉の選び方や文体のトーンで記事の反響が大きく変わるので、ディティールにも神経を研ぎ澄まします。そうした感覚は、トレンドに敏感なキュレーターに普段からリアルな意見を聞き、また編集メンバー自らも欠かさずトレンド情報をチェックすることで培っています」。
さらに記事の成果を出すためには、技術的な工夫も欠かせない。「記事のCTR最適化やクライアントのランディングページに誘導するリンク最適化は、広告効果を追求するうえで欠かせない作業です。商材の魅力を読者へ最大限伝えるために、タイトルの付け方やサムネイル画像の選び方、記事内のボタンやテキストリンクも結果が出るまで何度も調整します。さらに、当社メディアの特徴の4コマ構成だと導入部分の1、2コマ目の内容次第で記事の離脱率も大きく変わってくるので、記事をあらかじめ何パターンか用意して、記事公開後すぐにABテストで検証し、一番結果が良かったものを採用する場合もあります」と説明する。
記事連動型の完全オリジナル動画コンテンツ
また、自社の企画・撮影チームが撮影し、有名タレントやモデルを起用して制作した動画コンテンツは、PV・滞在時間・SNSの反響ともに、画像の記事コンテンツと比較して高い実績が確認できたという。
両メディアと動画コンテンツとの相性が非常に良いことが実証されたところで、今後は動画を活用したタイアップ記事の展開を進めて行く。記事中にただ動画を埋め込むのではなく、動画と記事を連動させることで、さらに広告効果を高める様々な施策を準備・検証中だと言う。これまでのメディア運営のノウハウを統合して、企画立案から動画制作まで一貫して行うことで、ユーザーにとってエンゲージメントの高いコンテンツとしての動画広告を展開していく。
動画コンテンツ
自主制作の動画コンテンツを増やしている。今後は動画と記事を連動させることで、相乗効果を高める施策を展開していく。
出稿事例紹介
人気インスタグラマーとして活躍するキュレーターを起用し、その写真撮影方法に密着する企画として実施しました。撮影まで当社で行い、画像とコンテンツの一体化を図りました。PV数、CTRなどの指標も平均値を大きく上回り、LPへ遷移したユーザー行動も他の女性向けキュレーションメディアと比較し直帰率が低いなど好実績を残せました。最近ではアドネットワークへ出稿頂いたクライアントさまが効果を感じて頂き、タイアップ記事広告へもご出稿いただくパターンも増えています(桑山氏)。
[例]ニコンイメージングジャパン
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