- 打ち合わせの場では、商品・サービスの説明の前に自社の詳細な説明を。
- 動画を流すメディアを選定し、企業側も動画を流すメディアの特性を理解しておく。
- 絵コンテは完成をイメージして確認すること。感じた違和感は、制作会社にぶつけて解消しておく。
動画ディレクションのここがポイント!
制作側が知りたい情報とは
クリエイターとクライアントとのマッチングを行っていると、クライアント側に映像制作の知識を得る機会がいかにないかということを痛感します。私の前職がCMの制作会社で、映像をつくり慣れているスタッフと仕事をしていたので、なおさら「クリエイターにとって当たり前のことがそうではなかった」のだということに気づきます。Viibarでは、当社のサービスを利用してもらう前にクライアントへ動画をつくる時に知っておいていただきたいことをお伝えしていますが、動画制作に必要な細かい技術までは知らなくても、いくつかのポイントさえ押さえておけば制作側とのやり取りは格段にスムーズになります。それによって、クライアントが修正指示にかける時間を減らすこともできますし、より効果を追求した動画をつくることができるのです。では、そのポイントを制作フローに沿ってお伝えしていきます(図表1)。
まずはじめに、つくりたい動画のイメージをクリエイターと共有する際のポイントです。当社で動画制作をする場合には、まずクライアントについてヒアリングする場を設けます。動画の素材となる商品やサービスの特性などはもちろんのこと、この段階ではクライアントに会社自体をオリエンしてもらうつもりで話をしていただきます。どういうクリエイティブにしたいかよりも、まずはその商品についてのプロであるクライアントしか持っていない知識や、狙うターゲット層などを知りたいのです。
また、その会社がどう育ってきたかや、その商品がなぜ生まれたかなど、「そんなことから話すのか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的に、クリエイターはその会社や商品の情報などを持っていません。丁寧すぎるように思うかもしれませんが、自社商品を何も知らない人に対して説明するような気持ちで情報を伝えるようにした方が良いでしょう。
次に伝えていただきたいのは、「動画をどんな意図でつくるのか?」ということ。商品・サービスを知ってほしいのか、買ってほしいのか、ブランドイメージを向上させたいのか…など。商品の購入を促す場合には、対象が化粧品やシャンプーなどであれば使用感などのアンケートをとったグラフを入れたり、ブランドイメージ向上であれば商品にまつわる感動エピソードをつくったりと、当たり前ですが目的によりつくる映像がまったく変わってきます。その時に「この音楽や、この色が好きだから」と、個人的な好みだけを組み合わせた作品をつくらないことも大切だとお伝えしています。
動画の目的はあまり欲張ってもいけません。当社では
(1)Star(バイラル系人気動画)
(2)Help(ハウツー)
(3)Habit( 習慣)
(4)Insert( 差込)
(5)Persuasion(説得)
の5つに区分けしています(図表2)。これら複数の要素を入れたいと希望されるクライアントの気持ちはもちろん分かるのですが、あまり多くの要素をいれると本当に伝えたいことがボヤけてしまいます。そこはぐっと堪えて一本の目的で通したほうが良い仕上がりになります。
図表2 オンライン動画活用戦略モデル
上述した内容に加えて、動画は「どこに流すか」が決まらないと、つくりはじめることができません。たとえばYouTubeのTrueView広告に流すのであれば冒頭5秒で動画をスキップされてしまうかもしれないことを予想し、その5秒にインパクトをつけます。そして、さらに最後まで映像を見てもらう仕掛けをつくらなければなりません。最近ではこのような広告用の動画制作以外にも …