記念日好きの日本人
年々勢いを増すハロウィン市場。経済効果の面では昨年時点でバレンタインデー(1080億円)を抜き1100億円、今年は1220億円とさらに効果を強めた。さすがにクリスマス(6740億円)には遠く及ばないが、完全にハロウィンという記念日が浸透したと言える※。
社会に広く認識されてからの日本人の行動力には驚くばかりである。そんなハロウィンも以前は言葉としての認知度はあるものの、なんとなく10月の季節行事という感じで捉えていた人が多かったように思う。10月31日という明確な日付が認知されていくとともに活動が活性化していったように感じている。
日本人の伝統的な世界観に「ハレとケ」というものがある。「ハレ」は儀礼や祭、年中行事などの「非日常」を表し、「ケ」は普段の生活である「日常」を表している。「ハレの日」は地域の伝統的なお祭りをイメージすると分かりやすい。晴れ着を着て集まったり、皆で赤飯を食べたりお酒を飲んだりするなどにより特別な日であることを体現する。
このように、日本人は暮らしのメリハリをつけ、生活の活力を保持していくものとして「ハレ」と「ケ」を明確に区別しながらも、生活の中で連続的なつながりのあるものとして向き合っている。そのため、「ハレ」に対する思い、「ハレの日」の行動力が強くなっている。日本人の記念日好きや季節行事よりも記念日行事の方が行動的になることなどは、こういう点から生まれているように思える。
※出所:一般社団法人日本記念日協会HPより
“記念日マーケティング”
“記念日マーケティング”とは、記念日や季節の行催事、シーズンイベントを購買のきっかけとしていく活動のことである。もともと社会に浸透している歴史的・文化的な記念日を活用するだけでなく、企業・ブランドが独自に設定した記念日を活用することも年々増えている。日本において記念日を使ったプロモーションは …