広告のメッセージを深掘りすると見えてくる社会の問題 「歴史」というオブラートで包み、新たな視点を読者に与える
『童の神』『八本目の槍』や直木賞受賞作品『塞王の楯』などの作品で人気の歴史小説家、今村翔吾さん。2021年から書店経営も行い、2024年4月には、シェア型書店「ほんまる」もオープンした。「広告はネタの宝庫」として着想を得ることもあると言い、自らも広告を手掛けてみたいと話す今村さんに、広告のクリエイティブに期待することについて聞いた。
私の広告観
グローバルに活躍する人材の育成が日本社会におけるテーマになる中、国際バカロレア(以下、IB)への注目が高まっている。IBディプロマ・プログラムの一部科目の授業と試験・評価を日本語で実施する「日本語と英語によるデュアルランゲージ・ディプロマ・プログラム(以下、日本語DP)」の普及を目指す、国際バカロレア・デュアルランゲージ・ディプロマ連絡協議会の会長、長谷川 正さんに話を聞いた。
長谷川 正さん(はせがわ・ただし)
国際バカロレア・デュアルランゲージ・ディプロマ連絡協議会 会長、東京学芸大学理事・副学長、理学博士。専門分野は有機化学 科学教育。
国際バカロレア(IB)とは、国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラムで、世界の複雑さを理解して、それに対処できる態度とスキルを身に着けさせる総合的な内容となっている。2015年8月3日現在、世界140以上の国・地域4,297校(日本国内:35校)において実施されている。IBのプログラムには、年齢に合わせて4つのプログラムがあるが、最近注目されるのが、「ディプロマ・プログラム(DP)」と呼ばれるもので、所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能となる。プログラムの一部が英語で提供されることなどもあり、グローバル人材育成に役立つとされている。
IBの普及・拡大に向け、文部科学省と国際バカロレア機構(IBO)との合意により、IBディプロマ・プログラムの一部科目の授業と試験・評価を日本語で実施する「日本語DP」が導入された。これを機会に、国際バカロレア認定校の拡大に向けて活動しているのが、長谷川さんが会長を務める国際バカロレア・デュアルランゲージ・ディプロマ連絡協議会だ。
最近、IBが注目を集めるようになった理由について長谷川さんは、「日本の教育界にて課題になっている点が盛り込まれた教育プログラム」である点を指摘した。日本の教育における大きな課題の一つが“創造力の育成”。そして、この創造力は、科学的なものの見方をして考え・意見を述べることで養われると言われている。「科学的といっても、理科に関わるものだけではありません。例えば歴史であっても、感情論ではなくてきちんと歴史の事実を踏まえて話す。それは科学的なものの見方・考え方に通じます。もちろん今の日本でも同様のことを打ち出していますが、IBプログラムの方が一日の長があります」。
IBの方が、創造力を伸ばすためには適していると考えられる理由が、教育方法に関する基本的な考え方だ。日本の従来の教育においては、教員は子どもたちを教える「教授者」の位置づけだ。一方で、IBにおける教員の役割は「ファシリテーター」であり、役割が全く異なるのだ。
「IBは子どもを中心に据え …